ホメロスは紀元前8世紀頃に生きたとされるギリシャの吟遊詩人であり、「イリアス」と「オデュッセイア」の作者と考えられています。
ホメロスについての史実はほぼ存在しておらず、その素性は伝説じみており、架空の存在ではないかという説もあります。伝承によると、彼は文芸の女神カリオペの子や私生児であるとされ、盲目と考えられています。当時のギリシャでは有能な詩人は盲目であるという先入観があったそうで、ホメロスの雄弁さを伝える一種のステータスであると考えられます。エーゲ海にあるキクラデス諸島のイオス島で亡くなったとされています。
イリアスとオデュッセイア以外にも幾つかの作品をホメロスは残しており、それらは後世の文学や芸術家達に多大な影響を与えました。「西洋文学の父」として、ホメロスは現代に至っても不動の地位を保ち続けています。
では、ホメロスに関する絵画12点をご覧ください。
「Charles Nicolas Lafond 作 1824年」
ホメロスの為に歌うサッフォーという題。サッフォーは古代ギリシャの
女流詩人で、愛にまつわる詩を多く手がけています。
生きた時代や地域は違うと思われますが、画家は偉大な詩人
二人を会わせてしまいました。
「トーマス・ローレンス作 1790年」
詩を朗読しているホメロス。というよりも、ホメロスは盲目とされて
いるので暗唱しているのかもしれません。深い森の中で人々は
ホメロスの巧みな雄弁さに聞き入っていますね。
「Jean-Baptiste Auguste Leloir 作 1841年」
こちらも楽器を持つホメロスの言葉に聞き入っている民衆たち。
サッフォーもそうでしたが、詩人は竪琴(リラ)を弾きながら語っていた
のでしょうかね。耳なし芳一みたいな感じなのかな?←ぇ
「Denis Alexandre Volozan 作 1811年」
街を歩くホメロス。従者と思われる少年は男性から何かを受け取って
いますね。「ホメロス様の詩を聞きたくば銭を寄こせ」みたいな感じ
なのかしら・・・^^;(違)
「ウィリアム・アドルフ・ブグロー作 1825-1905年」
従者の少年が盲目のホメロスの手を引きながら歩いています。
手に持っているのはパンかな?それとも石?
リアルで素敵な作品です。
「ピエル・フランチェスコ・モラ作 1612-66年」
少年に文学を教えるホメロス。衣服がギリシャ時代じゃないという
点はさておき、ホメロスは少年を連れているという伝承があった
のでしょうかね。これも詩人=盲目という紋切型に似た、
固定概念的な考えがあったように感じます。
「作者不詳 イタリアの画家作 17-18世紀頃?」
な、何とも言えない表情をしていますね・・・。今まさに詩を
語っている瞬間なのでしょうか。ある種の迫力を感じます。
「レンブラント・ファン・レイン作 1663年」
な、なんだか寂しそうなホメロスですね・・・。
彼の外面的な偉大さを伝えようと描く画家がほとんどですが、
レンブラントはホメロスの内面から沸き起こる神話の悲劇物語を
表わしているような気がします。
「マッティア・プレティ作 1635年」
竪琴を弾く絵画が多い中、このホメロスはヴァイオリンを弾いて
います。雰囲気があって個人的には好きな絵なのですが、
古代ギリシャにヴァイオリンは無いですよね・・・^^;
「カラヴァッジョの追随者作(フランドル系?) 1639年」
くわっと見開いた目、高い鷲鼻、固く引き結んだ口、握り締められた
両手。かなり迫力があるお姿ですね。なんか吟遊詩人というより、
このままドラキュラ伯爵でも杭で刺してしまいそうな感じです。←ぇ
「ラファエロ・サンツィオ作 1511年 部分画」
「パルナッソス」という題で、ローマのヴァチカン宮殿に描かれた
フレスコ画。パルナッソスはアポロンが住む山で、右にいる青年が
アポロン。その周囲には女神と詩人たちがいます。
ホメロスは青色の服の老人。その隣にダンテもいますね。
「アントニオ・ズッキ作 1726-95年」
偉大な詩人のあまり、ホメロスは神格化もされています。
詩の女神(ムーサ)と思われる女性からホメロスは月桂冠を授け
られていますね。
先ほどもちらりと書きましたが、日本の代表的な語り部である「耳なし芳一(びわ法師)」も盲目とされていますね。(昔、怪談話をテレビで見てトラウマになりましたw) また、ケルトの吟遊詩人とされるオシアンも盲目とされています。盲目=語り部というイメージは古代ギリシャを越えて、西洋のみならず日本にもあるという事が興味深いですね^^
ちなみに神話では盲目は「予言」のイメージが強いです。運命を司る女神フォルトゥナは目隠しをした姿で描かれる事もありますし、神によって盲目にされた青年テイレシアスは予言の力を得ました。盲目とされる予言者はたくさんいます。視界が遮断されることにより、第六感というか別の神秘的な世界が感じられる、と当時の人は考えたのかもしれませんね。
コメント
>> ホメロス礼讃^o^様へ
こんばんは^^
あわわ、勢い余ってタイトルに「書いた」としてしまいましたが、確かにホメロスは「歌っている」んですよね。盲目の吟遊詩人だし…。
「平家物語」も口頭伝承なのですか!北欧神話もそうですし、神話や伝説のほとんどは口頭で伝えられていったのですね。
こっそりと直しておきます(ノωノ)
「イリアス」や「オデュッセイア」等を手掛けた全ての人が「ホメロス」でいいと思います。
現代のバンド名や芸人、サークル活動、同人などのグループ名的なノリで。
あれです。動物プランクトンのサルパも単体が長ーく繋がっていって一つの個体に合体しますしね^^
ホメロスはきっとそんな存在なのかもしれません。←ぇ!?
「著者」っていうと書いたと思われがちだけど、歌っているのですよね。書いても歌っても著作には変わりはないけれど^^
口承だったものが書き残されて……というのは、日本の『平家物語』も一緒ですね。
人物像はつくられたものなのかもしれないですが、
一人だろうが二人だろうが大勢だろうが、必ず作者は存在するわけで、だとしたら彼(彼ら?)に「ホメロス」という名をつけて、実在した人物として扱ってもいいような気がします(笑)
というか、実際すべてのエピソードがホメロスの時代にあったわけじゃないでしょうし(後世の挿入ってやつも?)。