
いあ!いあ!くとぅるふ!
クトルゥフ神話はアメリカの小説家H・P・ラヴクラフトとその後継者たちが手掛けた、一連のホラー小説の集合体のことを指します。ジャンルはコズミック・ホラー(宇宙的恐怖)と呼ばれ、人間の力ではどうすることもできない超次元的な力を持つ異星の神が主軸に存在しております。
ラヴクラフトは大の読書家で、様々な知識を有していました。彼は自らが恐ろしい、嫌悪するものを合体させ、不気味な神々を生み出していきます。それらは他の小説家に共有され、オーガスト・ダーレスが編集者として大々的な宣伝を行って書籍を売り出していくことで、アメリカでは大変なクトルゥフブームが巻き起こりました。日本でも物語は翻訳され、早期から追随者が現れています。今日においてもクトゥルフ神話は下火になることはなく、世界中で根強い人気があるのです。
では、クトゥルフ神話に関する小説の表紙絵14点をご覧ください。なお、表示されている年代は小説が出版された年であり、紹介している表紙本の年ではないことはご了承ください。
「クトゥルフの弟子 1975年」
クトゥルフの呼び声などの作品が入ったアンソロジー集。
神話の代名詞ともなった、ルルイエに封印されし邪神クトゥルフ。
タコのような面相にドラゴンのような翼、ゴム状の身体と。
大体みんなが考えているクトゥルフの姿形と言った感じですね。
「クトゥルフ神話の物語 ブルース・ペニントン画 1958年頃」
く、くとぅるふ!?なんか目がイッちゃっています。
なんだろう、鼻の穴と目玉の状態が面白い+不気味に感じます・・・。
超巨大なこいつが襲ってきたら、SAN値直葬ですね・・・。
「クトルゥフの仮面 ブルース・ペニントン画 1958年」
オーガスト・ダーレスによる神話のアンソロジー集。ハスターの帰還や
The Whippoorwills in the Hills など短編小説が7編入っています。
封印の扉から勢いよくばっしゃーん!としています。
「クトゥルフの仮面 1958年」
こちらも同様の書籍。表紙は深きものどもさんたちでしょうか。
呪われた町インスマスで主人公に詰め寄るダゴンの崇拝者たち・・・。
「未知なるカダスを夢に求めて 1943年」
夢見人ランドルフ・カーターが、地球の神々がいるというカダス
目指して夢世界を冒険するストーリー。美しい黄金の都に猫、猫、猫。
そして樹々からボス調のキモ可愛げな怪物がちらりしています。
猫将軍最強すぎました。そして夜魔が可愛く感じてきた。
「未知なるカダスを夢に求めて 1943年」
こちらは上記と異なり、這いよる混沌ニャルラトホテプを前面に出した表紙。
最初読んだ時ニャルさんの長話&説得(誑かし)に驚きました。
ニャル様って、想像よりべらべら喋りよるな!
「狂気山脈にて 1936年」
人類以前に地球に住んでいた「古のもの」の調査をしている内に、
主人公とその相棒が南極の山脈にある古代遺跡に足を踏み入れる
ことに。そして・・・。
ぐちょぐちょの変形生物ショゴスが二足で頑張って立っています。
「狂気山脈にて 1936年」
こちらは古のものとショゴス。古のものは自らの文化水準を上げる為、
奴隷種族ショゴスを創り出します。しかし、意思を持たないはずの
ショゴスは様々なことを学習し始め・・・。
「雑誌Astoundingより狂気山脈にて 1936年」
ショゴスは古のものに対して反乱を起こし、滅ぼしてしまいます。
その廃墟に主人公たちは入り込んだのでした。狭い遺跡から
ショゴスがぬるぬる~!と追っかけてくるシーンを忠実に描いています。
「狂気山脈にて 1936年」
???狂気山脈って、こんなストーリーでしたっけ?棺桶からくるくる
ヘアーの骸骨が復活してくるなんて、なんのストーリーだろう・・・?
骸骨の「ふぉふぉふぉ・・・」と言う感じがなんとも言えません。
「時間からの影 1936年」
Howard V. Brownによる挿絵。雑誌の題名は「驚異」であり、時間からの
影の短編が入っています。時間の秘密を解き明かしたという、旧支配者の
一つ「イースの大いなる種族」をめぐる物語。
「宇宙からの色 1927年」
宇宙からの色(異次元の色彩)はある日、隕石が素朴な村へ落ち、
隕石の中から現れた謎の生命体が村の家畜や住人を徐々に殺して
いく・・・。というホラーな物語。表紙絵はイースの大いなる種族のようですね。
「ダニッチの怪(ダンウィッチの怪) 1929年」
人間の女性と邪神ヨグ・ソトースとの間に生まれた双子が紡ぐ物語。
兄はまだ人間の姿を保っていましたが、弟は超強大な怪物となり、
村を襲い始めたのでした・・・。表紙絵は弟君の姿でしょうか。
キメラ状態になっており、トカゲっぽい骨を持っていますね。
「ダニッチの怪(ダンウィッチの怪) 1929年」
こちらも同様の小説。この表紙絵の弟は山羊の顔に人間の身体、
腹にタコのような触手が生えていますね。
一種の神秘さえ感じさせられる姿です。
私が最初にクトゥルフ神話を知ったのは、神話に関する本を読んでいる時に紹介されていたからでした。「こんな怪物がうじゃうじゃいる神話って、一体なんじゃい!?」と思った私はクトゥルフ神話に関する本を読み、深みにはまっていきました。今では全作品の読破はしていないものの、一人の密かなファンとなっております。
ギリシャ神話や北欧神話、聖書にも恐ろし気な怪物は存在しますが、クトゥルフ神話の邪神や旧支配者の造形の不気味さは群を抜いています。どろどろ~、ぐちゃぐちゃ~、ねばねば~みたいな無定形な怪物はこの神話ならではですね。
→ クトゥルフ神話の表紙絵【第二弾】を見たい方はこちらから
<参考元サイト>
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