ティアナのアポロニウスの絵画13点。ラミアを退散させたピタゴラス派の伝説的魔術師 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ティアナのアポロニウスの絵画13点。ラミアを退散させたピタゴラス派の伝説的魔術師

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 小アジアのティアナ(現在のトルコのカッパドキア)出身のアポロニウスは、イエスとほぼ同時代に生きたとされる哲学者です。
 哲学者は魔術に秀でていた者もいたようで、三平方の定理でおなじみのピタゴラスも前世の記憶を持ち、テレポーテーションや予言を行ったとされています。ピタゴラス派に属しているティアナのアポロニウスはピタゴラス以上の魔術師とみなされており、前世の記憶を持ち、予言やテレパシー、治癒、蘇生、悪霊祓いなどを駆使していたそうです。
 フィロストラトス著の資料「ティアナのアポロニウス」によると、彼はあるライオンを見て「この獅子はかつてエジプトの王であった」と見抜いたとされています。また、女性に化けた悪霊ラミアを見抜いて退治したという逸話もあります。ローマやエジプト、インドなどの様々な土地を転々とし、修行を行い自らの奇跡や教えを広めていきました。「彼こそ本当の救世主なのではないか」と彼を信奉する者は数多くいたそうですが、イエスが台頭していき、結果的にはキリスト教が歴史を掌握することになったのでした。
 では、伝説的魔術師であるティアナのアポロニウスとピタゴラス、そしてラミアに関する絵画13点をご覧ください。

「大理石の古代彫刻像  200年頃」<画像元>
ティアナのアポロニウス(またはエフェソスのヘラクレイトス)と
考えられている大理石像。トーガを身にまとい、杖を持って
何やら語っておりますね。

「J. Augustus Knapp 作  1926年」
三平方の定理を神秘的に示そうとしておられるピタゴラス氏。
紀元前6世紀頃に生きたとされる彼は数学や哲学だけではなく、
魔術にも秀でているとされ、多くの奇跡を見せました。

「サルバトール・ローザ作  1662年」
ある日、ピタゴラスは地下に潜って何日も出てきませんでした。
ガリガリの姿で戻ってきた彼は「冥界へ行ってきた」と言って
人々を驚かせたのです!冥界の情景を細かく話す彼に、
民衆は畏敬の念を覚えたのでした。


「Fedor Andreevich Bronnikov 作 1869年」
ピタゴラスの讃美歌という作品。古代ギリシャの偉大なる
哲学者、魔術師である彼を人々はあがめております。
あれ、アポロニウスより目立ってる?^^;

「ルーベンス&スナイデルスの共作  1618-20年」
菜食主義を提唱するピタゴラスという作品。オウィディウスの
「変身物語」より。輪廻転生を信じていたピタゴラスは、
転生した知り合いを食うことになるという理由で、
菜食主義者であったようです。果物野菜がいっぱいです。

「メアリーエヴァンズ図書館より  年代不詳」
やっとでてきましたアポロニウス。ピタゴラス派に属する
彼は幾多もの奇跡を行い、信奉者が集まりました。
大魔術師といった風情をしておりますね。

「Francis Cleyn 作 1659年」
隠者のおじいさんという感じのアポロニウス。
「ヌクテメロン」という本の著者ともされています。

「メアリーエヴァンズ図書館より 年代不詳」
アポロニウスは「ネロ帝の杯は60年頃に雷に打たれるだろう」
という予言をしました。するとどうでしょう。
予言は実現したのです。

「メアリーエヴァンズ図書館より 年代不詳」
コリントのメニップスという若者は未亡人と婚約します。
しかし、アポロニウスが「こいつは悪霊だ」と正体を明かす
と、女性は悪霊ラミアという恐ろしい素性をあらわしたのでした。

「フランス出身の画家作  年代不詳」
アポロニウスは治癒においても優れており、命を落とした
貴族の女性を復活させたともされています。予言に悪霊退治に
蘇生。イエス・キリストの奇跡とよく似ておりますね。

「コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」より 1818年」
ラミアはギリシア神話においてゼウスに見初められ、ヘラの
陰謀によって怪物に変えられてしまった可哀想な女性ですが、
アポロニウスの伝記で悪霊(吸血鬼)となり、悪魔の一員として
数えられるようになりました。この挿絵では老婆の姿に。

「ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作 1905年」
怪物化した薄幸の女性、男を喰らう女吸血鬼、醜い悪魔と
しての性質を持ったラミアは、詩人ジョン・キーツの
「レイミア」によって恐ろしくも美しい魅力的な女怪として
描かれました。この作品のラミアは健気にすら見えますね。

「ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作 1909年」
こちらも美しい姿のラミアを描いた作品。上記の作品よりも
挑発的な感じで、彼女に魅了されたら少しずつ精気吸われ
そうですね^^; ただ「そうなっても本望」という思想が
感じられるような気がします。

 ティアナのアポロニウスについての絵画を紹介しよう!と勇んで検索をしたのですが、あら困った全然作品が見つからない^^;ピタゴラス&ラミアの作品まで風呂敷を広げたのをお許しください。

 話は替わりまして、私は「Therion(セリオン)」というスウェーデンのシンフォニックメタルバンドを以前から聞いているのですが、2018年に「Beloved Antichrist」というアルバムを発売しました。その曲中の物語にティアナのアポロニウスさんらしき人物が登場するのです。すべて英語の為に物語は曖昧なのですが、イエス・キリストの存在の為に異端の烙印を押されてしまった数々の魔術師たち。ピタゴラス派やグノーシス主義の面々。彼等が信仰の主張の為にイエスの聖人たちと聖戦をする・・・的な感じっぽいです。(翻訳していなくて適当です。間違っていたらすみません^^;)
 音楽もクラシックとロック、オペラが混ざり重厚で美しい感じです。CDも三枚組という大容量!かなり好きな曲なので、興味をもたれた方はぜひ聴いてみてください^^

【 コメント 】

  1. 管理人:扉園 より:

     >> 黒縁メガネ着用様へ
    こんばんは^^
    おお、黒縁眼鏡さんでしたか。
    私はぎりぎりの裸眼ですw
    悪魔に眼鏡って斬新ですよね。
    ラミアさんも人間と同様に近眼や老眼になってしまうのでしょうか(笑)
    キーツのレイミア、展開はアポロニウスとほぼ同じなのに解釈が異なりますよね。
    男の精気を吸うレイミアは愛も感じており、被害者であるはずの男も彼女を愛している。レイミアが悲鳴を上げて消え、男も同様に息絶える。
    むしろアポロニウスが恋人たちを引き裂いた敵みたいになってますね…^^;
    外国語や神話、聖書を知っている人ならJの発音を理解できると思いますが、日本では理解する人はなかなか少なそうな気がします。
    ヨハネもジョンですからね…。全然違う。
    私は北欧神話から学びました。
    ヨルムンガンドとかヨトゥンヘイムとか、みんな「J」なのです…。

  2. 黒縁メガネ着用 より:

    なんと、近代のラミアはメガネをしているのですねっ。なんだか親近感が。(ぇ
    ウォーターハウスの『つれなきレイミア』ですね。キーツの詩の方は読んでいないのですが、エロスに関する美術の本に出てきたので名前だけ知ってました。そうか、ラミアだったのか……。
    『聖アントワヌの誘惑』読んでいて、キベーラってのがキュベレーってのはすぐわかったんですけどね(笑)
    関係ないですが、ヨナタンと聞いて英語のジョナサンだと即座に理解する人って、どれだけいるんだろうか( ̄▽ ̄)

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