ジョットの寓意画から学ぶ、7つの美徳と7つの悪徳。スクロヴェーニ礼拝堂の宗教画 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ジョットの寓意画から学ぶ、7つの美徳と7つの悪徳。スクロヴェーニ礼拝堂の宗教画

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  ジョット・ディ・ボンドーネはイタリア出身の中世後期の画家です。
 彼の最も有名な作品は1305年に描かれた、スクロヴェーニ礼拝堂の一連の宗教画ですが、その中にグリザイユ(モノクロのこと)で描かれた「美徳と悪徳」とされる14枚の寓意画があります。寓意(ぐうい)とはある意味を直接伝えず、別のものに例えたり、ほのめかしたりして伝えることで、寓意画は概念を擬人化した絵画のことを指します。スクロヴェーニ礼拝堂へ来た信仰者はこの絵画を見て、率先して行う美徳、やってはならない悪徳を学んだのでした。
 私たちもジョット先生の道徳の授業を学びましょう。

 

「賢明と愚鈍」
賢さは人々から尊敬され、愚かさは人々から軽視されます。
何事も学習です。怠けてばかりいると、頭が空っぽになりますよ。

「剛毅と移り気」
意志が固きことは重要です。風のように物事をとらえてばかりいると、
何事も成し遂げられないでしょう。

「節制と憤怒」
控え目に節度を保ちなさい。怒りに身を任せて、我を忘れないように。
間違っても服をびりびりに破らないようにしてください。

「正義と不正」
人を助け、正しい行いをしなさい。
間違っても人を騙して利益をぶんどることはしないよう。

「信仰と不信仰」
神に忠実でいなさい。不信者は盲目と同じ。
さもなくば、未来永劫地獄の業火に焼かれることになるでしょう。

「慈愛と嫉妬」
人に与えなさい。金を捨て、食べ物を、愛を与えなさい。
妬み、欲を持つ者は自らの口から出た蛇に噛まれるでしょう。

「希望と絶望」
望みを持ちなさい。きっと天使は貴方に微笑んでくれるはずです。
絶望して生を終わらせてはなりません。それでは悪魔の思うつぼです。

 寓意画の説明は私がノリで書いたものなので、実際にジョット先生が言ったことではないですが、おおむねそういう事を伝えたかったのだと思います。信仰せよはキリスト教なので仕方ないですが、現代日本人にも当てはまるものばかりのように感じます。人間は完璧にできていないので、やはり悪徳の方へ傾いでいってしまうこともあります。私は移り気で阿呆で、人に対してこんちくしょーと叫びたくなる時もありますが、そこはぐっと堪えて美徳の方へ少しでも傾くよう頑張ろうとしています。
 この絵画を見て「あぁ、明日から美徳をちょっと実践しようかな」と思ってくれたのなら、ジョット先生は絵画を描いた甲斐があると胸を張って言えるように思います。

→ ジョットの絵画をもっと見たい方はこちら

 

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