飲み食いする人々の絵画12点。宴会や日常で飲食に携わり、楽しむ愉快な者達 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

飲み食いする人々の絵画12点。宴会や日常で飲食に携わり、楽しむ愉快な者達

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Italian School 19th Monks Cooking’ -

 あけましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いいたします!
 今年はじめての記事はこちらになります^^

 中世~近世の農民や市民、職人達は生活を営み、食べていくのに懸命でした。仕事が休みなのは一週間のうち日曜日だけで、早朝から起きて、日没まで働きっぱなしだったそうです。身体を酷使し、疲れ果てて仕事をしても少ない賃金。わずかの衣食住で生きていかなければなりません。日曜は仕事を禁じられていたので、職人達は「日曜以外働きっぱなしでは、ギルド内で話し合う余裕すらない。月曜に休みを!」と訴えていたそうです。
 城や宮殿に暮らす貴族、修道院や教会で暮らす聖職者は厳格なルールの中で生きていました。こうしなければならない、これはやってはならない、こうあるべきだのオンパレード。階級が高い者も、低い者もルールでがんじがらめになっていた部分がありました。

 もちろん全ての者達がそのような生活ではなかったと思いますし、お祭り休日が割とあったとされている為、息抜きする時間もあったと思います。ただ、現代に生きる私達より厳しいルールに縛られ、生きていたことには間違いありません。現代でもストレス社会は問題になっておりますが、中世~近世の住民も「やってられねぇ!」とヤケ酒を飲みたくなるようなストレス社会に生きていたのです。

 彼等にとっての息抜きの一つは、飲んだり食べたり騒いだりすること。祭事は必ずと言っていいほど、宴会を行って飲み食いを行っていました。日常でも食は大事にされていました。絵画ではそんな様子の彼等が生き生きと描かれています。
 では、飲み食いする人々の絵画12点をご覧ください。

 

「ヤン・マサイス作 1562年」
壺を手に持つ、店の女将さんと思われる女性にべったりの
男性群。愛されていますね~。飲むなら絶対にここだぜ!
という行きつけのお店なのかしら。
Jan Massys, Merry company 1562

「ヤン・マサイス作  1564年」
マサイスさんはこの主題を気に入っていたようで、似た構図で
何枚か描いています。お魚と壺がテーブルに置かれ、
赤い服の男性が二人に「こっちで楽器しようぜべイベ~!」と
誘っているように見えますね。
 Jan Matsys 1564

「ヤン・マサイスの工房作 1509-73年」
右側でいちゃつく二人と、トランプゲームで遊ぶおじさんたち。
赤い服の人はもう酔っちゃっているように見えますね。
あんまりはしゃぐと一文無しになっちゃいますよ!
Peasants Carousing Cards Worshop Jan Massys 1509-73

「ヴィンチェンツォ・カンピ作  16世紀」
右下の白いものはリコッタチーズとのこと。巨大なスプーンを
を使い食べまくる男性。チーズってこんなに沢山丸ごと食べ
られるの…!?
The Ricotta Eaters School of Cremona, 16th

「ヴィンチェンツォ・カンピ作  16世紀」
お豆を食べるの図。平和そうな家族の作品ですね。
赤ちゃんギャン泣きで、パパもギャン泣きに見えますねw
パパはお豆が嫌いなのかしら…。奥様は満面の笑みw
The Bean Eaters by Vincenzo Campi

「ヴィンチェンツォ・カンピ作  16世紀」
賑やかな台所のシーン。鳥や豚を捌いていたり、生地をこねて
いたり、わんちゃんと猫ちゃんが争っていたり…。
衛生さえ大丈夫だったら、一緒に参加して食べたいのになぁ。
A Kitchen  Vincenzo Campi

「フランス・ハルス作 1616-17年」
四旬節前に行われる、カーニバルで上演された演劇を描いていると
されています。出演者は皆男性であることから、女の子に見える
人物も男の子であると考えられていますが定かではありません。
塩漬けニシンやパン、ソーセージが置かれていますね。
Merrymakers at Shrovetide 1616–17 Frans Hals

「フランドルの工房出身の画家作 1625年」
おかゆ、うめぇ~!!
どんだけ身に染みわたっているの…と思うような表情ですね^^;
Unknown Portrait of a Man Flemish School 1625

「Christiaen van Couwenbergh 作 1620年」
グラスを手に持ち、うぇーい!と笑顔を浮かべる男性。
細い大根みたいな野菜と、パイっぽいパンと、お芋っぽい料理?
奥の黒い料理はなんだろう。尻尾があるようにみえるような…(汗)
Christiaen van Couwenbergh, Man with Tankard and Glass, 1620

「オランダのハールレムの工房作  17世紀」
お祝いの日なのかしら?家族みんなで王冠を被る父親?を祝福
しているように見えます。机にはたっぷりとパン料理が。
ほっこりさせられる作品ですね。
Haarlam School 17th  The King Drinks

「オランダのユトレヒトの工房作 1620年」
「やってられねぇよ」とヤケ煙草とヤケ酒を煽る男性。
右の男性は「まぁまぁこれくらいにしとけよ」と止めている
ように見えますね。右の彼が帯剣しているので、騎士か軍人か
傭兵か…。戦う仕事は心が荒んでいきそうですね…。大変です。
School of Utrecht, circa 1620

「イタリアの工房作  19世紀」
料理をしている二人の修道士のおじいちゃん。
「うまくできたかい?」「いい感じだ」と喋っているのかしら。
大きなチキンが美味しそうですね。
Italian School 19th Monks Cooking’

 ヴィンチェンツォ・カンピさん作のリコッタチーズを食べまくる男性。サラダに乗せたり、スイーツに混ぜたり添えたりして食べるならともかく、そのまま丸ごと…!あんなに食べて、くどくないのかな?と思っていましたら、リコッタチーズはホエー(乳清)を使って作るチーズであり、お豆腐に似てさっぱりした味わいのチーズであるそうです。
 リコッタはイタリア語で「再び煮た」という意味で、カッテージやクリームチーズ作りの副産物であるホエーを再利用し、チーズを作ります。なので、リコッタチーズは他のチーズに比べてさっぱりとしているんですね。それなら丸ごと食べていても納得です!
 リコッタチーズは家庭でも作ることができるそうです。本場イタリアではホエーのみを使って作りますが、レシピを調べてみると牛乳とホエーを同量であったり、レモン汁やクエン酸を使ったりと色々ありました。カッテージチーズやクリームチーズも手作りでいけます。楽しそうなので、今度作ってみようと思います!^^

レシピはこちら…
*ホエーから*手作りリコッタチーズ♪ by パティシエJunko 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが378万品 (cookpad.com)



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