中世・ルネサンス | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

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中世装飾写本のコウモリの挿絵12点。謎生物と化した、シュールでゆるーい姿

夜闇に紛れて音もなく滑空する、黒き姿のコウモリ。 世界には約980種類のコウモリがいるとされ、西洋でも広く分布しております。夜行性であること、翼を持ち不気味ともとれる姿であること、病原菌を運ぶ可能性があることから、西洋では悪魔の使いとして考...
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悪魔と住民の絵画11点。闇の異形とゆるく真剣に付き合う、中世の幻想ワールド

聖や闇の存在が、現代よりも深く信じられていた中世。 心を惑わし堕落させようと企む悪魔は、人々にとって脅威でした。甘言で誘惑して悪事を誘発させ、罪を犯させる。罪深き者は死後、天使の祝福を受けることができない。笑みを浮かべし悪魔は、穢れし魂を地...
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サタンを踏むミカエルの絵画12点。微笑む大天使は悪魔を足蹴にする【第二弾】

新約聖書の「ヨハネの黙示録」によると、大天使ミカエルと配下の天使たちは、サタン(ルシファー)とその部下たちと激しく戦い、彼等を地の底へと突き落としたとされています。サタンはかつて美しい天使であったものの、堕天使となり邪悪なる悪魔と変貌したの...
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飲み食いする人々の絵画12点。宴会や日常で飲食に携わり、楽しむ愉快な者達

あけましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いいたします! 今年はじめての記事はこちらになります^^ 中世~近世の農民や市民、職人達は生活を営み、食べていくのに懸命でした。仕事が休みなのは一週間のうち日曜日だけで、早朝から起きて...
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中世装飾写本のラクダの作品12点。砂漠のシルクロード代表の動物を想像で描く

沢山の荷物を背中に乗せ、砂漠で歩く印象が強いラクダ。西アジア原産のヒトコブラクダと、中央アジア原産のフタコブラクダが存在し、ヨーロッパには生息していません。 中世ヨーロッパの時代、大方の民衆は故郷の村や町で一生を過ごしました。王侯貴族や商人...
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三人の生者と三人の死者の絵画10点。死が運命を告げる、メメント・モリの一種

ある日、貴族(権威者)は蓋の空いた棺を見つける。その棺から三人の死者が現れ、私は教皇、枢機卿、法律家だったと言い、彼等はこう厳かに告げる。「君達も私達のようになる運命だ」とー・・・。 この物語は「死の勝利」や「死の舞踏」と同様に、「メメント...
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双子の西洋絵画13点。うり二つの姿で生を授かった双生児の微笑ましき肖像画

一度の妊娠で二人の命を授かる双子。双子には一卵性と二卵性がありますが、一卵性双生児が生まれる確率は約0.4%、二卵性双生児が生まれる確率は約0.2~1.6%であるようです。 古代の西洋では、双生児は特別な力を持つとも考えられていました。 ギ...
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悪女フリートの絵画9点。地獄へ踏み込み怪物を蹴散らす、フランドル地方の強き女

「悪女フリート」は意地の悪い女や激怒する女などを象徴した、フランドル地方(オランダやベルギー)における諺をもとにして生じた存在です。フリートは恐い女を凝縮して概念化した存在だと思っていただければいいと思います。 15~6世紀頃のフランドルは...
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どうしてこうなった宗教画13点。どこか不自然で突っ込みたくなる聖なる方達【第三弾】

イエス・キリストや聖母マリア、天使、聖人などが描かれた宗教画は、信仰してきた対象を描くゆえに、神秘的で荘厳、均整のとれた美しい作品である場合がほとんどです。彼等の姿はほぼ形式化され、画家が異なれどもよく似た姿で描かれてきました。その表情も思...
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太陽の輝き〈Splendor Solis〉の挿絵13点。錬金術の極意が綴られた華麗なる写本

あけましておめでとうございます。2020年最初の記事はこちらになります。 太陽の輝き〈Splendor Solis〉は、15世紀のドイツの錬金術師であるサロモン・トリスモジン〈Salomon Trismosin〉 に由来する、美しい挿絵が描...
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黄金の子牛の像の絵画13点。神を象るなとモーセが怒り狂った偶像崇拝の象徴

黄金の子牛は、イスラエル民族によって作られたとされる旧約聖書に登場する像です。 「出エジプト」によると、モーセはシナイ山で神託を受ける為、40日間こもっていました。残されたイスラエルの民たちは「モーセは死んだのではないか」と思うようになり、...
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頭足人グリロスの彩飾写本13点。頭と手足と獣が合体したシュールな怪物【第二弾】

頭と足が合体したような怪物のことを指す、グリロス(頭足人)。 頭と足でなくともグリロスと呼ばれる者もおり、厳密に言えば頭部を色々なパーツと組み合わせて作る怪物とされています。グリロスはギリシア・ローマ時代の玉石彫刻から発生したと言われており...
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凶悪な兎の彩飾写本13点。弱者の兎が人や猟犬を攻撃するシュールな逆転復讐劇

二つの長い耳がぴんと立ち、もふもふとした愛らしい姿をした兎。 古代の時代より兎は狩られる運命にある動物でした。自然世界と人間社会、いずれにおいても兎は格好の獲物とされ、肉食獣や狩猟犬、人間の武器に追われて逃げ回るばかりでした。食物連鎖の位置...
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トーナメント(馬上槍試合)の絵画13点。中世に流行った騎士による命がけの真剣勝負

トーナメント(馬上槍試合)は中世時代に流行った、騎士の技術を争う模擬戦です。 日本語では馬上槍試合と言われていますが、団体戦や個人戦、馬上戦から徒歩戦、槍以外の武器の使用など様々なバリエーションがありました。団体戦はトゥルヌイ、個人戦はジョ...
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老人と美女の絵画13点。金品と欲望の皮肉に満ちた、フランドルで流行した絵画主題

年の差婚。現代でもあまりにも年の離れたカップルは話題となり、様々な詮索を受ける対象となりがちですね。 当時の西洋では、現代以上に年の差婚が行われておりました。純粋な恋愛による年の差婚はあまりおらず、国政や貴族の血統の権力によるものだったり、...
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メリュジーヌの絵画13点。フランス伝承で語られる半身が蛇である美女の異類婚姻譚

メリュジーヌはフランスの伝説に登場する、上半身が美女で下半身が蛇の姿をしている人物です。ドラゴンの翼が生えているともされています。 1397年にジャン・ダラスという人が「メリュジーヌ物語」という散文を書き、その数年後にクートレッドという人も...
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中世彩飾写本のクジラ&イルカの絵画13点。作者の想像力でシュールな怪魚と化す

島国である私達にとってはクジラやイルカは比較的身近な存在であり、昔から共生して暮らしてきました。クジラの肉を食べたことがある人もいるのではないでしょうか。 西洋においてもクジラやイルカは付近を回遊しており、決して見られない環境ではありません...
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中世写本の装飾文字人間の作品13点。アルファベットがシュールな生物に変化する

皆様は中学か高校の美術の授業で、漢字をイラストで表現するという授業をしたことはありますか?例えば「雲」という漢字をもくもくとした雲で描いてみたり、「猫」と言う漢字を寝転がる猫として描いてみたり。 なんと、似たような事を中世時代の西洋人もやっ...
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医療占星術についての写本14点。12星座の生物が人体に乗っかるシュールな挿絵

中世の時代、、病気の患者に医療と占星術が結びついた治療を行っていました。それは医療占星術(メディカルアストロロジー)と呼ばれ、患者の星座と現在の星の位置を考慮したうえで、診断や治療が為されたそうです。 星座は人体の部位と関連しているとされ、...
ヒエロニムス・ボス

ヒエロニムス・ボスの絵画を赤外線にかけたら新発見が!下地を赤裸々に見せます

2016年はヒエロニムス・ボスの没後100年の節目に当たり、様々なボスのプロジェクトが持ち上がりました。この赤外線の調査もその一環で、色を塗った下にあるモノクロの下地(グリザイユ)の部分が調べられました。(X線でも調べられました) すると、...