
一度の妊娠で二人の命を授かる双子。双子には一卵性と二卵性がありますが、一卵性双生児が生まれる確率は約0.4%、二卵性双生児が生まれる確率は約0.2~1.6%であるようです。
古代の西洋では、双生児は特別な力を持つとも考えられていました。 ギリシャ神話のアポロンとアルテミスやカストルとポルックス、ローマ建国神話のロムルスとレムス、旧約聖書ではエサウとヤコブ、一説にはミカエルとサタンが双子とされています。双子は遺伝子が同じ、もしくは類似している為によく似た性質を持つものの、時には互いに反目する存在として見られています。
そんな神秘的な側面を持つ双子ですが、彼らをこよなく愛した家族は、たくさんの肖像画を現代に残しています。では、双生児の肖像画13点をご覧ください。一部なんか違うのもありますのでご了承ください^^;
「作者不詳 1700年頃」
紅の布に囲まれ、純白のおくるみに包まれた双子ちゃん。
無表情でこちらを凝視する眼差しはそっくりです。
将来大物になる予感がします・・・^^;
「作者不詳 1617年」
こけしのような形に包まれた双子の赤ちゃん。
微笑みを浮かべ、その表情は人生を悟っているようです。
顔色は異なっていてもよく似ていますね。男の子と女の子なのかな?
「作者不詳 1654年」
同じ服装、同じ髪型の可愛らしい双子の女の子。
一見しただけではそっくりですが、よく見るとお顔に違いがありますね。
「アメリカの画家作 1728年」
ドッペルゲンガーだ!というレベルでよく似ている二人の少女。
わんちゃんと小鳥さんを引き連れてポーズをとっております。
「Johanna Vergouwen 作 1668年」
頭にもっさもさの帽子を被った双子ちゃん。
乗馬と笛と剣がマイブームでしょうか。
「Jacob Gerritsz. Cuyp 作 1630-40年」
立派な衣装を着ておもちゃを握る双子ちゃん。
最初十字架を握っていると思ったら、銀の棒に鈴が付いた玩具でした。
これが元祖ガラガラなのかしら?
「サロモン・デ・ブライ作 1646年」
互いに寄り添う双子ちゃん。
身ぐるみや装飾の入ったゆりかご、赤い布からこの子達の生まれの
地位の高さが分かりますね。
「ピーテル・フェデス作 1609年」
van Harinxma thoe Slooten 家に生まれたHomme 君と、Juw 君の
双子の兄弟。2歳の時の肖像画のようです。
西洋には魔除けとして、男子に女子の服を着せる習慣があり、
彼等はぴろっぴろのスカートをはいていますね。
「マシュー・プラット作 1773年」
サラちゃんとアンちゃんの双子姉妹。
親子共々無表情で、少しばかり不気味に見えてしまってすみません^^;
「ジョゼフ・ブラックバーン作 1778年」
ウィリス家に生まれた、リチャード君とアンちゃんの双子。
服装は違えども、大胆そうなお顔はよく似ていますね。
「テオドール・シャセリオー作 1843年」
シャセリオーの妹アデルとアリーヌの肖像画。よく似てらっしゃったので
双子だと思ってしまったのですが、姉妹でした。しかも12歳も年齢が
離れておられるとのこと。えぇ・・・見えない^^;
美しい姉妹に驚嘆して掲載することにしました。
「ジョン・エヴァレット・ミレイ作 1876年」
ホーア家のグレイスさんとケイトさん双子。忠誠溢れるわんちゃんを
従わせ、手には乗馬用ムチのようなものを握っています。
気品溢れる姿の中に、芯の強さを感じさせるお二人です。
「アンソニー・ヴァン・ダイク作 1636年」
えっ三つ子・・・!?と思ったら全然違いました!
こちらはスチュアート朝の王チャールズ1世を三面で描いた肖像画で、
同一人物となります。服装も表情も異なる三名の王。
面白かったのでノリで掲載しちゃいました^^;
双子というとそっくりというイメージが定着しており、肖像画でもよく似た双子の姿が描かれていますね。その為に双子は容姿だけではなく性格も「すべて似ている」とみられがちのように感じますが、生活環境における外的要因によってかなり変わってくるようです。
また、双子でも特性がむしろ「真逆」となる場合もあり、そのような双子は「ミラーツイン」と呼ばれています。利き手が反対だったり、つむじの巻きが逆だったり、臓器が反転したり、性格や睡眠パターン、嗜好までも反転していたりする場合があるようです。「似ている」とされている双子が「反転」の性質を持つ場合があるなんて、興味深いですよね。
先ほども触れましたが、神話や物語でも双子はよく似た性質を持つ場合と、鏡合わせのように真逆な性質を持ち反目した存在として描かれている場合があります。双子は昔も今も変わらずに、神秘的な存在であり続けるように感じます^^
→ ロムルスとレムスについての絵画を見たい方はこちら
→ カストルとポルックスについての絵画を見たい方はこちら
→ エサウとヤコブについての絵画を見たい方はこちら
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