• メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

    ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

    「中世ルネサンス ブックカフェ Tür テューア」が、クラウドファンディングをはじめました。ご支援していただける方を募集しております。詳細は右側のHPリンクにて^^

    ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの絵画10点。偉大な初期フランドル三大巨匠の一人

    Rogier_van_der_Weyden2 - コピー

     ロヒール・ファン・デル・ウェイデンは初期フランドル派の画家で、現在のベルギーで生まれました。彼は15世紀の北方絵画において非常に影響力のあった画家で、ロベルト・カンピンを師匠(諸説あり)に、ハンス・メムリンク(メムリンクの絵画はこちら)を弟子にとっていました。当時から国際的な名声を得ており、イタリアやスペイン、ネーデルラントの王侯貴族を相手に制作依頼を受けていました。
     ウェイデンの作品のほとんどが宗教画と肖像画で、初期フランドル画の特徴の写実性、緻密さ、哀愁感を色濃く表しています。彼は油彩とテンペラの混合技法を用い、薄く色を塗り重ねていった為、多くの色相を表現することができました。白でさえ何段階もの色調を使用しているようです。
     静けさが漂う美麗な作品を見ていきましょう。


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    聖書 バベルの塔の絵画10選。人々は神の頂を目指して塔を建設し、天罰を受ける

    Pieter Bruegel the Elder (1563) - コピー

     バベルの塔は旧約聖書の「創世記」に登場する塔です。
     聖書によると、かつて人々は同じ言語を用いていました。彼等は全国から集まり「さぁ、私たちの街と塔を作ろう!天へ届くほどの高い塔を。名声がとどろくような塔を作ろう!」と言い、塔を建設し始めました。着実に建てられていく塔を見て、神は「人間は団結し、天の領域を侵そうとしている。その原因は言語が統一しているからだ」と呟き、人々の共通言語を奪ってしまいました。突然話が通じなくなった人々は混乱し、街と塔の建設をやめざるを得なくなりました。人々は散り散りになり、やがて異なる言語を話すようになります。そして、置き去りにされた街は「バビロン」と名付けられました。
     崩壊した街バビロンのモチーフはバビロニア王国の首都だと言われています。バベルの塔は王国の神殿「ジックラト」に由来しています。後期になって、バビロンの塔だから「バベルの塔」と呼ばれるようになったとされています。
     神の天罰を受けた塔を描いた作品を見ていきましょう。


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    聖クリストフォロスの絵画11点。交通安全の守護者であり、赤子キリストを背負う聖人

    saint-christopher-1524_Titian - コピー

     クリストフォロスは3世紀のローマ帝国時代に生きた聖人で、元々はレプロブスという名前でした。
     ある日、小さな男の子がレプロブスに「川を渡りたい」と言いました。彼はお安い御用とばかりに男の子を担ぎ、急な川を渡り始めます。しかし、軽かった男の子は進むにつれて段々と重くなり、レプロブスは倒れそうになってしまいました。彼が丁寧にその名前を訪ねると、男の子はイエス・キリストと名のりました。キリストは全世界を背負っていた為に重かったのです。レプロブスはキリストに仕えることを約束し、「キリストを背負う者」という名のクリストフォロスという名前に改名しました。
     彼は交通安全の聖人として、多くのキリスト教徒に信仰されております。画家たちもクリストフォロスを敬愛し、聖画を多く残しました。キリストを背負う聖人をご覧ください。


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    放蕩息子の帰還の絵画9点。遊び三昧だった息子が帰宅する、新約聖書の感動物語

    Pompeo_Batoni  Parable of the Prodigal Son - コピー

     放蕩(ほうとう)息子の物語は聖書の一部で、キリストのたとえ話に登場します。
     父親と若い兄弟が暮らしていました。父親が弟に財産を分け与えた為、彼は他国へ旅立ち、そのお金で贅沢三昧で暮らします。遊び倒しているうちに大飢饉が起こり、無一文になった弟は豚の世話をして生計を立てることになりました。彼はユダヤ人だったので差別も起こり、非常に苦しい生活を送ります。ふと、彼は自らの帰るべき場所を思い出し、自宅へと帰ります。財産を食い潰した弟を兄は見下し、侮蔑しましたが、父親は息子をそっと抱き寄せ、その罪をゆるしました。弟は深く反省し、悔い改めたそうです。
     これは罪人に対する神の愛を表しているようです。物語を読んで画家たちはこぞって自らのイメージする放蕩息子を描きました。自己の罪に揺れ、父の愛を得て嬉し涙を流す息子の、感動的なシーン9点をご覧ください。


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    〈最新〉ブリューゲル一族 全員の作品を掲載!画家になった人は総勢8名(他に甥も)

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     ブリューゲル一族は16世紀-18世紀に活躍したフランドル(ネーデルラント)の画家の家系。
     ピーテル・ブリューゲルやらヤン・ブリューゲルやら同名が多すぎるので、基本(父、子)(老、若)などで区別されます。最も有名なのはピーテル・ブリューゲル(父)で、その息子や孫、更には曾孫も画家になっております。今回は有名からマイナーまで、画家になったほとんどのブリューゲル一族を紹介したいと思います。その数8名。
     ややこしい家系もこれですっきり解決です!


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    2017年1月始動。シンフォニックメタルバンドのXandriaが新アルバムをリリース!

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     ドイツのシンフォニックメタルバンド「Xandria (キサンドリア)」が、2017年1月27日に新アルバムを発売します!美術とは関係ないですが、管理人が大好きなバンドなので紹介させていただきたいと思います。シンフォニックメタルとはヘヴィメタルとオーケストラを融合させた音楽ジャンルで、ハードなオペラといった感じです。新アルバム名は「Theater of Dimensions (次元の劇場)」で、新曲ばかりが13曲入っています。早速詳しく見ていきましょう!

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    ハンス・メムリンクの絵画11選。繊細な美しさと聖なる静寂を生む、フランドルの巨匠

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     ハンス・メムリンクは15世紀後半に活躍した、初期の北方ルネサンス(フランドル)の画家です。
     ドイツで生まれ、ベルギーのブリュージュへ移り住みました。ファン・エイクの影響を受け、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンを師としていました。北方ルネサンスの特徴として細密な描写がありますが、メムリンクも類に漏れず、かなり緻密に描き込んであります。なんと、ミカエルの鎧の反射で映る景色さえも描き込んでいるとか。並々ならぬ熱意ですね。
     フランドルの巨匠メムリンクの絵画11選をお楽しみください。


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    ギリシャ神話の詩人オルフェウスの死の絵画9点。愛に一途故に、乙女に殺される

     Orpheus, 1865 - コピー

     オルフェウスはギリシャ神話の吟遊詩人です。彼の最愛の妻エウリュディケが亡くなり、冥界まで行って連れ帰ろうとしたのですが、失敗してしまいました。→ オルフェウスの冥界下りの絵画はこちら
     彼は絶望し、女性を避けて暮らすようになります。トラキアの乙女たちがオルフェウスの気を引こうといくら頑張ってみても、彼は素知らぬ顔。そっけないオルフェウスに対し、ディオニュソスの祭の最中、娘たちの堪忍袋の緒が切れます。「あいつが私を侮辱した男だ!」と叫び、娘は槍を掴むとオルフェウスに投げつけます。それを皮切りに他の娘たちも加わり、彼は八つ裂きにされてしまいました。頭と竪琴は河に投げ込まれ、ゆらゆらと河をさまよい、ニンフたちに発見されました。
     また、オルフェウスは自らの宗教を広めようとした為にディオニュソスの神に疎まれ、彼を信仰する乙女たちに八つ裂きにされたという説もあります。いずれにせよ彼は無惨な殺され方をして、画家たちにこぞって描かれたのでした。オルフェウスの悲劇的な様相をご覧ください。


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    ギリシャ神話のオルフェウスの冥界下り 絵画9点。振り向いた瞬間、妻を永遠に失う

    Jean Roux,1718-1720

      オルフェウスはギリシャ神話に登場する吟遊詩人です。竪琴の技術が非常に優れており、彼が竪琴を演奏すると動物たちだけではなく、木や石までも耳を傾けたと言われています。
     ある日、彼の妻エウリュディケが毒蛇に噛まれて死んでしまいます。オルフェウスは嘆き悲しみ、冥府へ下って冥界の王ハデスと妃に、妻を返してくれるよう懇願します。彼の悲しみと竪琴の調べに心を打たれた二人は、それを承諾します。ただし「冥界を出る間は、絶対に後ろを振り向いてはならない」と条件を付けて。オルフェウスは妻の手を引いて冥界を歩き、振り向きたいという欲求を必死にこらえました。けれど、後ろを向くなと言われたら振り向いてしまうのが人の常。オルフェウスはついに欲望に負け、妻の方を向いてしまいます。その瞬間が、エウリュディケの姿を見た最期になったのでした。
     この劇的なシーンは画家の創作意欲をあおり、多大な作品を生み出しています。その作品たちをご覧ください。

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    【絵画9点】天使と銃 !? 奇抜なファッションで身を固め、銃を構える天使達の絵画作品

    Angel with Arquebus,アシエル17th century

     けばけばしく派手な16世紀の衣装に身を包み、銃を構える天使。
     この恐ろしくギャップのある絵画は、16~18世紀のペルーのクスコを中心に、ボリビアやエクアドル周辺で描かれました。スペインがペルー(インカ)を植民地にして宗教芸術を伝えた際、生まれたモチーフのようです。(描いたのは主にスペイン人) 銃を持った天使は人気の主題だったようで、何枚も描かれています。9作品を早速見ていきましょう。なお、作者は不明であった為、控えさせていただきます。


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    中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
    師匠はヒエロニムス・ボス。
    神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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