悪魔の召喚の作品12点。反逆者サタンは部下を呼び、黒魔術師は悪魔を呼び出す | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

悪魔の召喚の作品12点。反逆者サタンは部下を呼び、黒魔術師は悪魔を呼び出す

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 神々に謀反した堕天使(悪魔)の記述は、旧約聖書と新約聖書、エノク書やヨハネの黙示録などに見られます。
 ジョン・ミルトンの「失楽園」は、サタンが神と天使の力によって地獄へ落されたところから始まります。サタンは共に神に謀反した仲間たちを呼び寄せ、作戦会議を開き、神に一矢報いるには最初の人間であるアダムとイブを陥れることに決めました。この物語のサタンや部下たちは実に個性的で、人間臭くもあります。その作品に影響を受けた何名もの画家たちが、サタンが悪魔たちを召喚しているシーンを描きました。
 また、悪魔は黒魔術を用いることによって、人間でも呼び出せることができます。しかるべき道具を集め、魔方陣や日時を合わせれば、任意の悪魔を召喚でき、希望するものを手に入れることができます。しかし、少しでも手順を間違えれば、瞬く間に悪魔の餌食となってしまうのです。
 悪魔を召喚している絵画作品、12点をご覧ください。

 

「ヨハン・ハインリヒ・フュースリ作  1741‐1825年」
サタンは槍を掲げ、堕天使となって怪物化した部下たちを呼び寄せています。
彼等は神の勢力に対抗しようと、知恵を結集するのです。

「ヨハン・ハインリヒ・フュースリ作  1802年」
フュースリは、サタンを崇高な人物として描いた最初の画家と考えられ
ています。サタンが両手をあげてポーズをとり、部下のベルゼブブを
呼びよせています。ベルゼブブは蠅の王とされている悪魔です。
→ フュースリの絵画をもっと見たい方はこちら

「ジェームズ・バリー作  1792-94年」
ムキムキのサタンは武器と盾を持ち、大きくのけぞっています。
その背後には堕天使たちがおり、足元には異形の怪物もいます。
断崖からは怪物たちが出てくるのでしょうか。


「トーマス・ストーサード作  1790年」
銀色の鎧に身を包んだサタンが、びしっと手を前に出しています。
下からわらわらと堕天使たちが出てきて、指揮官の命令に応えようと
しています。

「ウィリアム・ブレイク作  1757‐1827年」
中央で邪気(?)を放つサタンの周囲で、堕天使たちが各々のポーズを
とっています。召喚されて奮起しているというより、地獄へ落されて
いじけている人がいるのは気のせい・・・?特に左下の方。
→ ウィリアム・ブレイクの絵画をもっと見たい方はこちら

「トーマス・ローレンス作  1769-1830年」
垂れ目下まつげなサタンが、ご立派な肉体をさらして「いでよ!」と
地獄の底から仲間たちを召喚しています。
容姿とかポーズとか、ジョジョを想起させます・・・。

「Jacobus de Teramo 作  1473年」
悪魔を使役した人間として、イスラエル王のソロモンが有名です。
彼はミカエルから天使も悪魔も従わせる指輪を授けられました。
王が使役した悪魔は「ソロモン72柱」と呼ばれています。

「作者不詳  17‐18世紀頃の挿絵」
中世時代以降になると、悪魔の召喚は魔女や魔法使いが行う禁忌と
考えられ、白魔術と黒魔術が明確化されました。
魔女が魔方陣を作り、異形のものたちを呼び寄せています。

「ジャン・バン・デ・ヴェルデ II 作  1626年」
こちらも若い魔女が魔方陣の中におり、異形の悪魔がびっしりと
やって来ています。背後には髑髏や容器などが転がっているので、
儀式に使用したのかもしれません。

「Raoul de Presles 作(?)  14‐15世紀頃」
魔術師たちが書を読み、召喚魔術の習得に励んでいるようです。
陥没した地面からは、悪魔たちがわらわら。地獄の門を開いてしまった
のでしょうか。悪魔達がとっても楽しそうに見えます。

「アンドレア・ロカテッリ作  1695-1741年」
死体がゴロゴロする怪しい建物で、老人が魔方陣を描いています。
右側の夫婦のような人物は、老人に何かやましい事を頼みに来たの
でしょうか。飛び交う異形たちが魔術の怪しさを醸し出しています。

「悪魔と魔術の大要の挿絵  1775年頃」
悪魔が召喚者が持つ炎を吹き消そうとしています。召喚魔術が失敗
しているように見えるのは私だけでしょうか?
もし失敗したら、待ち受けているのは破滅のみです・・・。
→ この本の挿絵をもっと見たい方はこちら

 現代においても、黒魔術を行っている方は多くみえると思います。悪魔、召喚、方法で検索をすれば、日本でも様々な情報が飛び交っています。外国では本気で悪魔を呼び出そうと黒ミサを行った人がいたと、テレビで見た記憶があります。ネットでは悪魔の召喚方法を「願いによって悪魔を選べ」とか「決して振り返るな」とか「交渉に気を付けろ」とか書いてあり、「こっくりさん」のような怪談のような感じに解説されていました。
 知識を深めるためや興味で学ぶのは良いと思いますが、黒魔術は絶対にやらない方が良いと思います。悪魔が来るか来ないかは何とも言えませんが、そういった未知の相手に対する召喚は、ろくなことが起きない気がします。交渉の代償は大きいですよ・・・。

 

【 コメント 】

  1. 管理人:扉園 より:

     >> 季節風様へ
    こんばんは^^
    黒魔術と一口に言っても様々な種類があります。
    悪魔の召喚であったり、相手の畑を枯らせたり、雨を降らせたり、家畜を呪い殺ししたり、魅了して相手を我が物にしたり…。
    日本の藁人形などの「呪い」も黒魔術と同種です。
    それらはもし形式を間違えたり、呪い返しをされて失敗したとしたら、「術者に跳ね返ってくる」とされており、術者は自らの魔術や呪いで破滅してしまいます。
    そういった魔術的なことは古い話と考えられがちですが、現代でも行われているようですよ……。

  2. 季節風 より:

    黒魔術は効果が大きいが自分にも跳ね返ってくると読んだことがあります。悪魔を召喚というレベルの話だったのですね。
    効果の大きいことは恐ろしいことかもしれないですね。行きはよいよい帰りは恐い的な。

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