通称「悪魔と魔術の大要」とされる本は、1775年頃に書かれた魔術書です。
魔術書(グリモワール)は悪魔や精霊を呼び出す術、魔方陣の描き方、魔術や悪魔学などを描いた書物のことで、古代から現代まで多くの魔術書が存在します。
この魔術書「悪魔と魔術の大要」の正式名称はかなり長く、「Compendium rarissimum totius Artis Magicae sistematisatae per celeberrimos Artis hujus Magistros」とされています。その翻訳は「有名な巨匠によって書かれた芸術と魔法の概要」と言った感じです。本文はドイツ語とラテン語で書かれているものの、内容は残念ながら分かりません。しかし、水彩画で描かれた31点の挿絵には、悪魔や怪物、黒魔術、死神、魔女などおどろおどろしい主題がひしめいており、視覚に直接語り掛けてきます。
魔術書の挿絵10点をご覧ください。一部不快な描写が含まれておりますので、閲覧注意です。
ケルベロスのような三つの頭を持った怪物。ライオンの身体に、
竜と人間と犬(?)の顔をしております。こんな怪物が召喚された日には・・・。
鎌を持った死神がロバに乗って、誰かを迎えに行こうとしています。
魔術の秘密を知った者の前に立つのでしょうか・・・。
→ 死神について詳しく知りたい方はこちら
魔方陣を使用して悪魔を召喚した男。悪魔は火を吹き消しています。
右上の死体は材料にされているのか、はたまた男の未来を暗示しているのか。
ロバや山羊、熊や蛇がドッキングされた悪魔。召喚できる悪魔を
紹介しているのでしょうか。こんなん出てきても困ります。
胴がずんどうで、ちょっと可愛らしく見える怪物。
言葉が交わせそうで、結構知的そうなので召喚してみたいかも。
ヒョウ柄マントを着た怪物の口の中で、人間と女性の怪物が握手をしています。
契約をしてしまったら、きっと二度とここから出られないでしょう・・・。
イケイケに見える農夫か漁師の怪物。白い貝の服がナイスです。
野菜の豊作か魚の大漁をお願いしたら聞いてくれそうです。
太鼓を叩いている鼓笛隊の怪物。羽の模様が格好いいです。
戦争関係の怪物でしょうか。パンツははいて欲しかった・・・。
これは召喚しちゃいけないやつです。
出て来たら即効追い返さないと、自分と近隣住民に迷惑かけまくります。
火山噴出孔から出て来たと思われる、人肉を食らう悪魔。
こんな強大なる存在が出て来たら、どうしようもありません。
観念してご飯にされるしかないですね・・・。
まだ他にも魔方陣や、頭蓋骨、栄光の手(?)、魔女の挿絵などがあります。イスラエルのソロモン王のように悪魔を使役すれば、一部の悪魔は多大な知恵や力を授けるとされています。ただし、召喚方法や手順を間違えれば、瞬く間に餌食となってしまいます。現代においても占いや呪術は行われており、黒魔術を本気で信じて実行している人もいます。日本の藁人形も行った人に必ず返って来るとされているので、そういった危険なことは絶対に行わないようにしましょう・・・。
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