クレルヴォーの聖ベルナルドゥスは12世紀頃に生きたフランスの神学者です。
ベルナルドゥスはフォンテーヌで騎士の息子として生まれました。母が信仰厚き人であったので、彼は修道院に入ることを希望し、20代の頃にシトー修道院へと足を踏み入れます。その三年後にクレルヴォー修道院が設立され、彼はその院長に抜擢されました。ベルナルドゥスは優れた説教と聖性、厳粛さを備えていた為、巡礼者が押し掛けるようになりました。その名声はいやにも高まり、彼は静かな修道院生活を望んでいたものの、教皇までもが彼に助言を求めるようになってしまったのです。
ベルナルドゥスは教会分裂を収束させ、異端を抑圧し、十字軍勧誘の演説をするなどの業績を成し遂げました。しかし、熱狂的な支持を得た十字軍は失敗に終わります。このことがベルナルドゥスの影響力を弱めていき、様々な出来事も重なり、年齢の事もあって彼は世間から離れていくようになります。彼は1153年、クレルヴォー修道院の中で息を引き取りました。
では、聖ベルナルドゥスについての絵画12点をご覧ください。
「作者不詳 15世紀ドイツの作品」
植物トングみたいな物で悪魔の首を挟む、聖ベルナルドゥスさん。
作者さん的には見事に悪魔を退治する聖人、という表現
なのでしょうが、悪魔の「ぐえっ」って感じが、
ゆるくていい味を出していますw
「スペイン出身の画家作 16世紀」
マリア様とキリストがでっか!慈悲の半目でロザリオを持ち、
ベルナルドゥスの信仰心を高めようとしております。
圧が物凄いですね・・・。
「ヘロニモ・ジャシント・デ・エスピノーサ作 1640-50年」
意味ありげな、奥ゆかしい微笑みをたたえるマリア様とキリスト。
あとちょっとしたら、母乳が出てきそうです。
「ドイツのシュパイアー大聖堂にある作品 1146年」
噴射!ベルナルドゥスの顔に母乳が一直線。
飲めているのかしら…。
「ポルトガル出身の画家作 17世紀」
こちらの彫像マリア様も一直線に母乳を出しています。
右側の彼は洗礼者ヨハネ。キリストが幼子なので、彼も少年で
顕現しておりますね。
「作者不詳 16世紀」
みんな目線が上!母乳ノールックで出して飲んでいる…!
表情がみなさんシュールですね…。特に天使さんw
「ジョゼファ・デ・オビドス作 1630-84年」
彫りの深いお顔の聖母マリア様一行。お乳は口の中へ。
状況はシュールなんですけど、他の作品のツッコミが多すぎて
この作品がまともに見えてしまう・・・。
「Jean Bellegambe の追随者作 16世紀頃」
飲ませてない!ん、よく見るとキリストの腰布と同化している
ような…?キリストの表情にふてぶてしさを感じますねw
「アロンソ・カーノ作 1650年」
遠距離からのダイレクトヒット!
マリア様の適格な標準が見事です!
「作者不詳 ドイツの挿絵 1470-5年」
聖ベルナルドゥスには他にも逸話があります。教会の十字架に
架けられたキリストの腕が十字架から離れ、前かがみになって
彼を抱擁したとされています。可愛らしいサイズのキリストが
ベルナルドゥスに抱っこされています。
「Jan van Eeckele 作 1520-61年」
異時同図法となっており、手前はマリア様の顕現&母乳、
奥はキリストの抱擁が描かれています。繊細で美しい作品です。
「フランシスコ・リバルタ作 1565-1628年」
ちょっと腐の方が喜びそうな(失礼)、雰囲気のお二人。
右側の顔が気になる!誰だ・・・!?
彼の宗教的な人生の歴史が、絵画のインパクトの強さに全てふっとんでしまいましたw
母乳を飲ませる話は、餓死しそうな父親へ娘が母乳を飲ませる話「ローマの慈愛」がありますが、それと同じくらい印象深い内容ですね。母乳を与え飲む行為を、聖母と聖人が行うなんて、なんというか「それで大丈夫なのかな?」って思ってしまいます・・・。
聖ベルナルドゥスの記事はアートテラー・とに~様のブログにも綴られていました。こちらの記事にない絵画もあり、「こんな絵画もあるの!?」みたいなものもありました。遠距離じゃなくてダイレクトなものが・・・!絵画に対するツッコみが鋭くて読んでいて面白かったので、皆様もぜひご覧ください^^
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