ノートルダム・ド・パリ(ノートルダムの鐘)は、19世紀のフランスロマン主義の小説家ヴィクトル・ユゴーの物語です。
舞台は15世紀のパリ。ノートルダム大聖堂の前に醜い赤ん坊が捨てられており、助祭長であるフロロが育てます。赤ん坊はカジモドと名付けられ、ノートルダムの鐘付きとして成長しました。ある日、パリにジプシーが現れ、フロロはその中の美少女エスメラルダを愛してしまいます。信仰と愛の板挟みになったフロロは、遂にカジモドを利用して彼女を誘拐しようとしました。
計略は失敗し、カジモドは捕らえられて彼女は衛兵フェビュスと付き合うようになります。捕まったカジモドは街でさらし者になっていましたが、エスメラルダだけは彼を庇った為、恋心を抱くようになりました。フロロはエスメラルダを諦めきれず、二人が逢引きしている場へ行き、フェビュスを刺して逃げます。彼女はフェビュスを重体にした濡れ衣を着せられ、魔女裁判により死刑が下されました。
カジモドはエスメラルダを救出してノートルダム大聖堂にかくまいましたが、フロロは暴動を誘導して混乱を引き起こして彼女を誘拐。自分の愛人となるか、死刑となるかを選択させます。エスメラルダは後者を選び、衛兵に引き渡されて処刑されてしまいました。その光景をノートルダムの塔から笑いながら見ていたフロロを、怒ったカジモドは突き落として殺してしまいます。
その数年後、処刑場の後から白骨死体が出てきて、その横には異様な骨格をした白骨が寄りそっていました。それらを離そうとすると、粉々に砕けてしまったそうです。
登場人物がほぼ全滅。悲劇の物語であるノートルダムの鐘の絵画13点をご覧ください。
「ヴィルヘルム・マーストラン作 1810-73年」
踊り子であるジプシーの少女エスメラルダと、相棒のヤギのジャリ。
彼女がパリに来た事で、フロロやカジモド、フェビュスらの運命を
狂わせる事となったのです。
「Nicolas Eustache Maurin 作 1799-1850年」
聖職者であるフロロはエスメラルダに恋をしますが、彼女は
衛兵フェビュスと付き合い始めました。しかし、フェビュスには
婚約者がいたのです。(エスメラルダにも夫がいたようで、二人は
お互いを騙していたみたいです^^;)
「リュック=オリヴィエ・メルソン作 1846-1920年」
フロロはカジモドを利用してエスメラルダを誘拐しようとしますが、
カジモドは捕らえられてしまいます。皆が白い目を向ける中、
ただ一人彼女だけがカジモドを庇います。お水をごくごく。
「Nicolas Eustache Maurin 作 1799-1850年」
それにより、カジモドにも恋心が芽生えてしまうのでした。
水をあげているのは確かだけど、めっちゃ嫌そうだ・・・。
「オーギュスト・クーデル作 1837年」
エスメラルダを諦めきれないフロロは、彼女を尾行してフェビュスとの
逢瀬の現場へと足を踏み入れます。後ろ後ろ!!
「ルイス・ブーランジェ作 1806-67年」
フェビュスを刺した濡れ衣を着せられたエスメラルダは、魔女裁判に
掛けられて死刑を宣告されてしまいます。山羊を連れたジプシー
である彼女は、罪をなすりつける格好の相手なのでした。
「Aime de Lemud 作 1816-87年」
死刑が執行される直前、カジモドがエスメラルダを救出します。
カジモド物凄い所にしがみついてる!ちょっと下心が見えるぞ!
「Tony Zhoanno 作 1803-52年」
彼女をノートルダム大聖堂にかくまうカジモド。美女を前にして、
うじうじしています。それにしてもジプシー(北インドの人が多い)である
エスメラルダが白人の姿で描かれるのは違和感がありますね。
「テオフィル・ゴーティエ作 1811-72年」
画家を目指した事がある詩人という異色の作者さん。
道化のようなツートンカラーの服を着たカジモドがもじもじ(クネクネ?)
した感じに立っており、エスメラルダの視線はどっかいっちゃってます。
彼女はカジモドの醜い容姿を直視できなかったそうです・・・。
「ルイス・ブーランジェ作 1833年」
フロロは暴動をノートルダム大聖堂へと導き、混乱の最中に
エスメラルダを誘拐、命を助けて欲しければ愛人となれと
脅迫します。フロロ大暴走してますね。
「ルイス・ブーランジェ作 1806-67年」
エスメラルダは「死んだ方がマシ」と、フロロの要求を断ります。
愛に狂ったフロロは彼女を衛兵へと引き渡してしまったのです。
この時エスメラルダ16歳。フロロ36歳。・・・は、犯罪ですね。
「ルイス・ブーランジェ作 1833年」
ルイスさん作だらけになってしまいましたね^^;
捕まったエスメラルダは絞首刑となってしまいます。それを塔の
上から笑って見ていたフロロを、カジモドは突き落として殺します。
そして、カジモドは何処かへと姿を消しました。
「アントワーヌ・ヴィールツ作 1839年」
その数年後に処刑場を掘り返すと、寄りそった二つの白骨死体が
発見されました。その一つが、異様な骨格をしていたそう・・・。
カメラ目線の、貫禄のあるお髭のカジモド。
なんかずっと眺めていると、段々魅力的に見えて来たような!?
ディズニー映画の世界では、カジモドがヒーローとなりハッピーエンドで終わったノートルダムの鐘。しかし、原作の「ノートルダム・ド・パリ」では愛憎が渦巻く、人間の欲望を深くえぐった物語でしたね。この記事を書くまでは内容を漠然としか知らなかったので、「こんな救いようのない話だったとは・・・」と個人的に驚いています^^;
最近、劇団四季で「ノートルダムの鐘」の公演が行われており、CMがバンバンやっていますね。あらすじを調べてみると、原作とは若干異なるものの、結構近い内容になっているようです。(フェビュスがめちゃいい人ですがw) 「人間と怪物は何処に違いがあるのか」という深いテーマが扱われており、かなり面白そうです。現在横浜公演を行っており、9月からは名古屋公演へと移動するようです。興味を持った方は、公演を見てみるのはいかがでしょうか^^
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