
ヴァルカンはローマ神話に登場する火と鍛冶の神です。ウルカヌスとも呼ばれ、ギリシア神話のヘパイストスと同一視されています。
ヴァルカン自身の神話はほぼ現存しておらず、ヘパイストスの物語がほとんどです。彼は単眼の怪物サイクロプスを従え、鍛冶場で様々な武器や宝物を作っているとされています。ゼウスの雷と盾アイギス、アポロンとアルテミスの矢、アキレスの武具や盾などの武器から、青銅の巨人タロス、美女パンドラなどの生命を持つ存在まで幅広く製作しています。
ヘパイストスは美の神アフロディテ(ヴィーナス)を妻にしていますが、足が不自由であまり魅力的ではない為に浮気されてしまいます。浮気相手は軍神アレス(マルス)で、怒ったヘパイストスは妻とアレスもろとも開発した網で捕縛して、恥を与えたとされています。また、妻に相手にされない不満から、彼はアテナを追いかけまわしたという話もあります。
画家達は鍛冶を仕事としている者達を、ヴァルカンの工房としてなぞらえました。製作している途中に、ヴィーナス、またはアテナが現れるというシチュエーションは画家の間で流行ったようで、何枚かの作品が残されています。
では、ヴァルカンについての絵画13点をご覧ください。ヘパイストスやウルカヌスであっても、ヴァルカンと名称を統一させていただきますのでご了承ください。
