• メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

    ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

    サイクロプス(キュクロプス)の絵画12点。狂暴だとしても美女に恋する一つ目の巨人

    Polyphemus Giulio Romano, 1526-1528 -

     サイクロプス(キュプロクス)はギリシャ神話に登場する、一つ目の巨人の種族です。
     天空神ウラノスと地母神ガイアの間よりサイクロプス族は生まれましたが、父の手で奈落タルタロスに落とされてしまいます。神々の大戦ティタノマキアの際にゼウス達によって解放され、その返礼として神々に三つの神器を造りました。戦争後は鍛冶の神ヘパイストスの所で鍛冶業を行ったとされています。

     一方、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」に登場するサイクロプス族は、好意的な巨人ではなく、人を喰う凶暴な怪物として登場しています。サイクロプス族の島に漂着してしまった英雄オデュッセウスとその部下は、ポリュペーモス達によって捕らえられてしまいました。食べられていく部下。オデュッセウスは手持ちのワインでポリュペーモスの機嫌を取り、「私の名前はウーティス(誰でもない)」と告げました。巨人が酔いつぶれた頃、オデュッセウス達はその巨大な目を潰しました。痛がるポリュペーモスが「ウーティスにやられた!」と叫んでも、駆けつけた仲間達は「そっか、誰でもないのか」と帰ってしまいます。洞窟から無事に抜け出し、船に乗ったオデュッセウスは調子づいて自らの名を言ってしまった為、ポリューペモスは父であるポセイドンに祈り、彼は今後難破に苦しむ事になったのでした。

     そんな少し哀れなポリュペーモス。狂暴だけかと思いきや、ニュムペーであるガラテイアに恋したという逸話も残っています。ガラテイアに恋していたポリュペーモスは、彼女が青年アーキスといちゃついているのを発見。嫉妬のあまり石を投げつけてアーキスを殺してしまいます。異なる文献によると、ポリュペーモスとガラテイアは無事にゴールインし、三人の子供まで設けたとされています。
     では、ポリュペーモスを筆頭に、サイクロプスについての絵画12点をご覧ください。

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    頭足人グリロスの彩飾写本13点。頭と手足と獣が合体したシュールな怪物【第二弾】

    Gorleston Psalter 1310 -

     頭と足が合体したような怪物のことを指す、グリロス(頭足人)。
     頭と足でなくともグリロスと呼ばれる者もおり、厳密に言えば頭部を色々なパーツと組み合わせて作る怪物とされています。グリロスはギリシア・ローマ時代の玉石彫刻から発生したと言われており、中世時代になってヨーロッパ全土へ広がっていきました。宝石の彫刻から始まり、壁や柱、彩飾写本の余白を埋める怪物として描かれ、北方ルネサンスの画家ヒエロニムス・ボスがグリロスを芸術まで高めていきます。絵画の世界へ進出したグリロスは、様々な形態となって美術界に時々姿を現すのです。
     第二弾である今回は、中世の彩飾写本に登場するグリロスをご紹介いたします。なお、画像の詳細は判然としなかったので、未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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    聖ルカの絵画14点。福音書を手掛け聖母マリアを描いたとされる画家の守護聖人

    Niklaus Manuel, 1515 - コピー

     聖ルカは、新約聖書の「ルカによる福音書」と「使徒列伝」の作者とされる聖人です。
     「コロサイ書」や「ルカによる福音書への反マルキオン的序文」には「職業は医者」と記述があり、彼の職業は医者と考えられてきました。その為、聖ルカは医者や薬剤師の守護聖人とされています。しかし、聖ルカは画家の守護聖人ともされており、彼が聖母マリアと幼子イエスの肖像画を描いている場面ばかりが作品として残されています。それはルカの職業が画家で、聖母マリアを始めて描いた者であるという伝承がある為です。また、異教徒へ伝道する際に、自らが描いたイエスやマリアの肖像画を使用したという話もあります。
     聖ルカの作品は中世ルネサンス期に多く、とりわけ北方が目立ちます。では、様々な容姿や姿で聖母マリアとイエスを描く聖ルカの絵画14点をご覧ください。

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    歯医者の絵画12点。痛がる患者の歯をペンチ等で抜いて治療する、やぶめいた者達

    Luciano Nezzo (b.1856) -

     キュイーンと鳴り響く高音。歯に当たる振動と鈍い痛み。何をされているのかが見えない恐怖。うっすらとした血の味・・・。「歯医者は嫌い!行きたくない!」という人は多いのではないでしょうか。かく言う私もできる事なら行きたくありません^^;
     技術や麻酔が普及した現代でも恐いのに、知識が乏しく麻酔もなかった時代の歯の治療には、それ以上の恐怖があります。(氷やアルコールによる苦痛の軽減といった事はあると思いますが、やっぱり痛いと思います)虫歯や歯茎の病気による抜歯の痛みは想像を絶しますね・・・。医師免許がなかった時代なので、理髪師が歯科を代行していたり、抜歯専門で街を渡り歩く医者もいたそうです。その処置はいい加減なものが多かったようで、「無事な歯までもがやられてしまう」という本末転倒な結果になった者がいたとか・・・。
     西洋絵画には、立派な格好をした歯医者もいれば、その恐怖を裏付けするかのようなやぶ医者の如き歯医者も描かれています。
     では、歯医者にまつわる絵画12点をご覧ください。

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    凶悪な兎の彩飾写本13点。弱者の兎が人や猟犬を攻撃するシュールな逆転復讐劇

    manuscript7 -

     二つの長い耳がぴんと立ち、もふもふとした愛らしい姿をした兎。
     古代の時代より兎は狩られる運命にある動物でした。自然世界と人間社会、いずれにおいても兎は格好の獲物とされ、肉食獣や狩猟犬、人間の武器に追われて逃げ回るばかりでした。食物連鎖の位置づけはお世辞にも高い方とは言えません。
     そんな可哀想で弱い立場の兎ですが、西洋の中世彩飾写本の世界では様子が一変します。ペストや戦争、暴虐、裏切りが横行して混乱していた時代、「皮肉に満ちたあべこべな世界」が写本に描かれました。代表的なのが、「兎が狩猟犬や人間を攻撃し、虐げる」というテーマなのです。狩られる側の兎が狩る側に回る。
     いつかは強者と弱者の立場が逆転するかもしれない、という皮肉が込められた、凶悪な兎の作品13点をご覧ください。なお、画像の詳細は判然としなかったので未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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    マルタとマリアの絵画14点。懸命なおもてなしとイエス・キリストのお話の優先順位

    Alessandro Allori 1605 -

     マルタとマリアは新約聖書に登場する姉妹で、おもてなしをせずにキリストの話を聞くマリア(聖母やマグダラのマリアとは別人)に、マルタが不満に思ってキリストに諭される物語です。
     ある日、キリスト一行はとある村で姉妹がいる家に迎え入れられました。マルタは「イエス様をちゃんとおもてなししなくちゃ!」と忙しく立ち回り、色々な準備に追われていました。一方、マリアはキリストの足元に座って話に聞き入っており、まったく動こうとしません。一人せわしなく準備をしているマルタはそれをずるく思い、キリストにこう問いかけました。「主よ。マリアは私だけに準備をさせています。何とも思いになりませんか。手伝うようにおっしゃっていただけませんか?」対するキリストはこう返しました。「マルタ。あなたは悩みすぎている。必要なのは一つだけなのだ。マリアは良い方を選んだのだから、それを取り上げてはならない」と。

     この物語は「マリアが正解でおもてなしをするマルタが悪い」と言っている訳ではなく、「おもてなしをするのは良い事だが、お話をする間は手を休めて聞き入ってもいい。それを非難してはいけないよ」という意味が込められています。マルタが「客人が来たから早く準備しなきゃ!」と焦って神の話を聞き逃しているのに対し、マリアは「お話が終わってから、しっかりと準備しましょう」と思っているのだと思います。
     準備を頑張るマルタにお話を聞くマリア。対照的な二人の絵画14点をご覧ください。

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    ゼウスとエウロパの絵画13点。白い牡牛に化けた最高神にさらわれていった美女

    Noël-Nicolas Coypel III 1690-1734 -

     エウロパ(エウロペ)はギリシャ神話に登場する、牡牛に変身したゼウスにさらわれてしまった美女です。
     テュロスの王女であるエウロパは、ある日侍女と共にお花を摘んでいました。そこに現れたのは白い立派な牡牛。それはエウロパを狙うゼウスが変身した姿でしたが、知らない彼女は「なんて素敵な牛さんでしょう!」と無邪気にもその背中にまたがってしまいます。牡牛はすぐさま海へと走り、エウロパをクレタ島へと誘拐してしまったのでした。そこで本来の姿に戻ったゼウスとの間に、三人の息子を産んだとされています。

     伝説によると、その後ゼウスはエウロパに「自動人形のタロス」「必ず獲物を捕まえる猟犬」「無限の投げ槍」の三つの贈り物を与え、牡牛の姿になって天空へと上昇し、おうし座になったとされています。また、ヨーロッパという呼び名はエウロパから由来しているそうです。
     では、牡牛に連れ去られてしまうエウロパの絵画13点をご覧ください。

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    決闘(一騎打ち)の絵画13点。プライドや愛を守るため、命運を賭けた二者の激闘

    Emile-Antoine Bayard (1884) - An Affair of Honor -

     決闘は決められたルールのもと、二人が武器を使って命を賭けて戦い合うことです。
     はじまりはゲルマン民族の伝統とされており、6世紀頃には制度となっていました。法律では解決できなかった事件や、名誉挽回の為に決闘を申し込んだのでした。時代や国により条件は異なりますが、申し込まれた決闘を断る事は「いくじなし!」と周囲から後ろ指を指されてしまうので、受託しなくてはなりませんでした。武器は剣や短剣、近代では銃を使いました。どちらかが戦意喪失すれば決闘が終わりということもあれば、どちらかが死ぬまで決闘が終わらないこともあり、敗者は処刑するという恐ろしいルールの場合もありました。

     西洋では15~16世紀に合法的な決闘は廃れ、決闘裁判はほぼ行われなくなりましたが、個人的な決闘はたびたび起こっていたそうです。フランスではアンリ四世の統治中、年平均235人が命を落としたとか。多いじゃないですか・・・。数は少ないものの女性間でも決闘は行われたそうです。
     では、決闘の絵画13点をご覧ください。

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    ミルトン「失楽園」の絵画12点。天使と悪魔の争いとアダムとイブの愛を書いた叙事詩

    Satan And The Birth Of Sin by Johann Heinrich Fuseli -

     「失楽園」はイギリスの17世紀の詩人ジョン・ミルトンによって書かれた叙事詩です。
     旧約聖書の「創世記」を踏襲しており、神に反抗心を持つルシファー(サタン)は志を同じくする天使と共に神に反逆し、敗北して堕天使(悪魔)となります。ルシファーは悪魔達と共に神への復讐を考え、人間アダムとイブを堕落させることを思い付きます。かくしてルシファーは蛇の姿となってイブに禁断の実を食べるようそそのかし、彼女はその実を食してしまうのでした。アダムは「彼女だけが追放されるくらいなら共に行こう」と神よりも愛を選び、妻と共に楽園を去ることを選びます。大天使ミカエルに今後彼等が直面する災いを告げられ、アダムとイブは荒野へと足を踏み出すのでした。

     魔女狩りが行われる時代に書かれたにも関わらず、「失楽園」は唯一神の栄光を前面に表すのではなく、ルシファーの「服従よりも自由を選ぶ」というある種の英雄像、人間の「安泰な神の服従よりも、苦難の愛を選ぶ」という愛と意思の偉大さを描きました。それに影響されてか、神や天使ではなくルシファーにスポットライトを当て、劇的に描く絵画が登場するようになりました。
     では、ジョン・ミルトンの「失楽園」にまつわる絵画12点をご覧ください。

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    シャロットの乙女(エレイン)の絵画13点。ランスロット卿の愛を得られず命果てた美女

    John William Waterhouse - The Lady of Shalott 1888 -

     シャロットの乙女は、愛の為に外へ出たものの呪いによって命を落とした悲劇の物語です。
     19世紀の詩人アルフレッド・テニスンの詩によると、シャロット姫は外の世界を直に見ると死ぬという呪いがかけられていました。外は鏡を通してでしか見られず、彼女は毎日室内で織物をしていました。そんな生活に飽き飽きしていたある日、シャロットは歌声を聞きます。声に惹かれ、つい彼女は外を覗いてしまったのでした。川のほとりにいたのは、イケメン騎士ランスロット卿。その時、呪いは発動し、鏡は割れ、織物は飛び散って糸がからまってきました。シャロットは苦しみながらもランスロット卿を追って、船に乗って岸を目指しました。しかし、対岸のキャメロット城についた時には、彼女はこと切れていたのでした。

     この物語は「アーサー王物語」のアストラットのエレインの影響があるとされています。
     ランスロット卿と出会い恋に落ちるエレイン。彼は身分を隠して槍試合に参加しようとしていた為、エレインは兄の武具を貸します。その時に「愛の印として赤いスカーフを付けてください」と頼み、彼は変装するには丁度いいと思って付けることにしました。試合で瀕死の重傷を負ってしまったランスロット卿をエレインは看護し、愛は結ばれるかと思いきや。傷が癒えたランスロット卿はエレインを捨て、宮廷へと帰ってしまったのでした。悲しみに暮れたエレインは恋煩いで衰弱し、息絶えてしまいます。エレインの遺骸は悲恋を書いた手紙を持ち、小船に乗ってキャメロットの対岸へと流されたのでした。アーサー王や円卓の騎士らは彼女を発見して涙を流したのでした。
     では、シャロットの乙女とアストラットのエレインについての絵画13点をご覧ください。

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    中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
    師匠はヒエロニムス・ボス。
    神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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