遊ぶ子供達の絵画12点。おもちゃや動物、自然とたわむれる、やんちゃな子供達 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

遊ぶ子供達の絵画12点。おもちゃや動物、自然とたわむれる、やんちゃな子供達

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 現代の子供達は何をして「遊ぶ」でしょうか。現代では自分で遊ぶ手段を考えなくても、エンターテインメントが溢れていて、遊ぶ行為は無数に存在します。テレビゲームやスマホゲーム、漫画や映画、アニメ、それ関連のおもちゃ、アミューズメントなどなど。おもちゃのパソコンが売られているのを見たり、次々と新しいゲーム機が登場したりするのを知ると「ハイテクになったなぁ・・・」としみじみ思います。かくいう私は、ポケモンとかたまごっちの世代ですw

 近世や近代に生きる子供たちは、もちろんそのようなゲーム機を持っていません。漫画もありませんし、ディ〇ニーラ〇ドもありません。YouTubeも見れないし、映画もアニメもありません。彼等は自然で手に入れた物をおもちゃにし、職人が手作りで作ったおもちゃを使い、友達や動物とたわむれ、自然の中で遊びを見出しました。今の私たちでも「懐かしい」と思えるような、昔ながらの遊び方をしていたのです。
 では、遊ぶ子供たちの絵画12点をご覧ください。

 

「ラモーン・バエウ作  1746-93年」
 手作り感満載の牛が暴れ、他の子がそれと闘っています。
女の子を肩車し、闘わせてあげているのにほっこりしますね。
周囲にいるのは親御さんかな?

「スペイン出身の画家作  1777-78年」
ぷーっと膨らませているのは、なんと豚の膀胱。
大事な家畜である豚は全ての部位が利用され、膀胱は自然の
風船として子供のおもちゃにもなったそうです。

「ジョセフ・ライト作  1734–97作」
こちらも豚の膀胱を膨らませる子供。血管が走っていて、
現代の私達から見たらちょっとエグイですね…。
大きく膨らんで頑丈なので、他にも鞄やクッション、楽器にも
利用されたようです。

「ジョセフ・ライト作 1767-70年」
何があった!めっちゃ喧嘩してるじゃん!
「僕の風船だー!」「いや、僕のだー!」「とるなー!」
「いたーい!うえーん!」って感じでしょうかw

「ジョセフ・ライト作  1734–97作」
子猫(本物)とお人形さんで遊ぶ女の子たち。
皆で一緒におままごとをしてるのかな?
おままごとの歴史は古そうですね。

「アドリアーン・ブラウエルとヨースト・ファン・カースベークの合作 17世紀」
4名の少女が遊んでいる風景。赤い服の子は鳥のついた棒を持ち、
黄色い子は風車のようなものを持ち、奥の子は大きな人形を
抱えています。・・・なんの遊びでしょうかw

「フィリップ・メルシェ作  1689-1760年」
わんちゃんに棒を持たせ「待てだぞ!」と言っている年長の
子と、いえーいとポーズを取る二人の子。「仕方ないな。
付き合ってやるか」という風なわんちゃんの目線がナイスです。

「ヨハン・バプティスト・ライター作  1813 – 90年」
兵隊のお人形を木製の馬車(大砲?)に乗せて、はいポーズ。
紐を持つ後ろの子は、はやく引っ張って遊びたそう・・・。
後ろでご両親が見守っていますね。

「ハリー・ブルッカー作  1848 – 1940年」
室内で綱引きをやっちゃう子供たち。
足元の布とか滑って転びそうで、見ているこっちがハラハラ
しちゃいます。壁に突っ込んで穴開けないようにね!

「フィリップ・メルシェ作  1740年頃」
コマが18世紀の西洋にあるなんて!調べてみたら、なんと
紀元前1400~2000年ほどのエジプトからコマが発掘されたとか。
想像よりはるかにコマは古かった・・・!

「Friedrich Eduard Meyerheim 作 1808-79年」
変哲もない枝だって、子供のおもちゃに変化します。
ぶんぶん振り回して、遊んでいそうですw
お母さんは樹に隠れて、いないいないばぁしてるのかしら。

「アロイス・ハンズ・シュラム作  1864-1919年」
お人形さんを抱っこして、はいポーズ。
子供の頃は、人形やぬいぐるみをずっと抱っこして連れて歩いた
ものですよね。今でも私はぬいぐるみが大好きですw

 豚の膀胱を見ていたら、昔遊んだ「ポリバルーン」というおもちゃを思い出しました。
 金属のチューブからジェル状のものを出し、ストローの先に付けて慎重に膨ら
ませていくと、薄い風船になるというもの。あまり大きくし過ぎたり、ストローから切り離すのに失敗すると、破れてしまう。匂いが独特で今でも思い出せます。通常の風船より、こちらの方をたくさん膨らませた記憶がありますw皆様もよく遊んだのかしら?

 現代の子供は「遊び」の選択肢がたくさんありますが、昔ながらの遊びもまだまだ現役です。お人形さん遊びや、コマ回し。車や汽車、友達とおいかけっこ、縄跳びに綱引きと、機械を使わない自然の中での遊びは現代でも親しまれています。そういったものは遊ぶ回数こそ減ったとしても、国や時代を超えて子供をめいいっぱい楽しませる「遊び」として、いつまでも受け継がれていくのでしょう。

 

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【 コメント 】

  1. 管理人:扉園 より:

    >> オバタケイコ様へ
    こんばんは^^
    光と闇の演出はドラマティックに感じられ、美しいですよね。
    喧嘩していてもどこか静的で、なんだか美少年に見えますw
    豚の膀胱、吹いてみたい気持ちもありますが「ぼ、膀胱か!」ってやっぱり構えちゃいます…。
    何でも遊びに使ったり、手作りをするという行為は大事ですよね。
    大人になって思いますが、視野を広げて興味を持って、幼い内に色々な事を体験して欲しいと感じます。
    ペンペン草懐かしいです!
    オオバコ相撲や四葉のクローバー探しもやった記憶があります^^

  2. 管理人:扉園 より:

    >> 美術を愛する人様へ
    女の子達に混じって一緒に遊んでみたいですよね。
    まさか、持っている棒で美少女戦士に変身とか…!?←ぇ
    2100年の遊びはどうなっているのか想像つかないです。
    キックボードとかが空を飛んだりしているのかしら…。
    未来の子がヨーヨーの絵を見ると「どう遊ぶの?」って思うかもしれませんね。
    ダンゴムシ系の絵画映え問題、ありえそうですw
    私もアリの通行を邪魔したり、綺麗な小石を集めたり、人工芝をちぎったり…。
    昔の人も似たような事をやったはず!

  3. 管理人:扉園 より:

    >> 美術を愛する人様へ
    しまった。うっかり「子供の遊戯」掲載していないです…。確かにあの絵画は遊びの事典みたいですよね。
    ホイールを棒で押すとはアグレッシブな競技ですね!
    はじめて知りました。
    私は騎馬戦をやった記憶があります。

  4. オバタケイコ より:

    ジョセフ・ライトさんの絵はカラヴァッジョを思わせるような陰影のコントラストが印象的で素晴らしいですね。
    こうして見ると、豚の膀胱もなかなか美しいです。膨らませてみたい気もします。
    今と違って、自然の中にあるものを巧みに使ったり、おもちゃを手作りして遊ぶのは、子供の想像力が膨らんで豊かになりますよね。
    でも、現代っ子もゲームを与えられる前までは、自然の中で色々工夫して遊んでいるんだと思います。
    子供の頃、田んぼでレンゲを摘んで遊んだり、ペンペン草をでんでん太鼓みたいにして遊んだ事を思い出します(*^-^*)

  5. 美術を愛する人 より:

    現代人から見てわかる風船遊びやコマや綱引きの他、ブラウェル/カースベークさんの絵のように遊び方がよくわからないものは好奇心をくすぐられます。
    今の時代の遊びもいくつかは百年後遊び方がわからなくなっているかもしれませんね。
    小さな頃にダンゴムシをやたら集めた記憶があります。昔の子供だって変なもので遊んだに違いないと思っているのですが、ダンゴムシ(仮)では絵画映えしなくて記録に残らなかった…とかもあると思います。

  6. 美術を愛する人 より:

    遊ぶ子供たちならブリューゲルの『子供の遊戯』でしょう。
    車輪を回す子供を見て、子供のころに地区の運動会で自転車のホイールを棒で押して競争したのを思い出しました。

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