けばけばしく派手な16世紀の衣装に身を包み、銃を構える天使。
この恐ろしくギャップのある絵画は、16~18世紀のペルーのクスコを中心に、ボリビアやエクアドル周辺で描かれました。スペインがペルー(インカ)を植民地にして宗教芸術を伝えた際、生まれたモチーフのようです。(描いたのは主にスペイン人) 銃を持った天使は人気の主題だったようで、何枚も描かれています。9作品を早速見ていきましょう。なお、作者は不明であった為、控えさせていただきます。
「アシエル 17世紀」
銃を構えて狙い打ち!既に引火しているので、発砲するだけ。
「謎の天使さん 18世紀」
もっこもこの洋服にカラフルな羽。腕のボリューム感が凄まじいです。
「ラハティエル 17世紀」
動くのも難儀そうな大層な洋服。羽のは模様なのか、カバーなのか。
「aspiel apetus dei (アスピエルさん?) 」
足をクロスさせて、はいポーズ。どの天使さんもポーズを決めています。
「大天使だが、名前は不明」
黙々と火薬を詰める天使の足元には髑髏が・・・。もしかして犠牲者?
「名前不明の大天使さん」
こちらはまだ天使然としているお姿。黄金の羽に洋服ですね。
「謎の天使さん」
銃を肩にかけてカメラ目線。袖のボリューム感が半端ありません。
「謎の天使さん」
小憎たらしい表情をしている天使。へへん、ボクの銃は百発百中だ!
って言っているように思えます。
「ウリエル 18世紀」
四大天使の一人ウリエルさんも仲間入り。こちらはリーダー格らしく、
気品漂う落ち着いた感じになっております。
この銃は15世紀にスペインで開発されたもののようで、アメリカ大陸の征服の際に使われたものだと思います。理由は定かではありませんが、西洋の貴族がアメリカを植民地にした証を表しているのかもしれません。斬新な天使もいいですが、やはり天使は軽装で剣を持っているのがいいなぁ。この様相で黙示録の世界の終末が来たら、銃乱射で悪魔が蜂の巣にされてしまいますね・・・。
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