【作品15点】中世の画家が情報だけを頼りに描いた象が、とんでもなくシュールに | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

【作品15点】中世の画家が情報だけを頼りに描いた象が、とんでもなくシュールに

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 現代を生きる私達の中で、象を見たことがないという人は殆どいないのではないでしょうか。実際に見たことがなくとも、テレビやネット、本で象の姿は溢れています。子供でも象の姿形を容易に思い描くことができると思います。
 しかし、中世時代の人々は実際に象を見たことがありません。テレビも写真もない。唯一頼りなのは、アフリカやアジアへ旅をしたことがある人の伝聞のみです。中世の人々は異国の話を聞いて胸を躍らせ、見たこともない象の姿を思い浮かべました。「山みたいなでかさで、鼻がこーんなに長かった!固くて太い四本足で、踏み潰されそうだった。恐ろしい怪物だったよ!」と旅人は言ったかもしれません。旅人が本を書いて画家が挿絵を付け、その著作を見た人々がまた違う人に恐ろしい象のことを伝えたかもしれません。
 伝言ゲーム形式に象の姿は広まっていき、尾ひれ背びれが付き、幻想の中で解釈する人も出てきました。そうして想像で描かれた象の姿はとんでもないことになってしまいました。そんな象さんをご覧ください。

 

<以下の作品は原典や制作年代を控えさせていただきました>

凛々しい目をしていても、まだ象の親子だと分かる姿。
右側の鳥蛇怪物はいったいなんでしょう・・・。

だいぶ象らしく描いてはいても、
足の蹄やしっぽは想像で付け加えました感が。

指輪物語で象に乗った兵が襲い掛かってくるシーンがあったのを
思い出しました。牙の生えているところがとんでもない・・・。

全身全霊で象を描いたという気迫が伝わってきますが、
鼻まで牙化しちゃってますよ・・・!

戦争で象を起用して、こんな感じに使われたという話が
あったのでしょうか。ていうか、鼻が掃除機になってませんか!?

象が兵を踏み付けていますが、最期の力を振り絞って一撃を
加えています。象の表情がいやらしい感じがする・・・。

狼と象が混ざった合いの子状態。
これを描いた人はでかくて強い=狼を連想したのでしょうか。

ぎょろめが恐すぎる象さん。
たてがみらしきものとしっぽを見ると、ライオンが混ざっているような。

まつ毛がキュートな一つ目の象。全身を覆う模様や、ラッパ型の鼻、
靴みたいな足など、一体どうしたの状態。しかも竜とバトルしてます。

超小顔で鼻がラッパ型の、なんだか憎めない顔の象。
背中に塔があったり、猿みたいな獣が乗ってたりとシュールな絵柄。


海の怪物!?巨大つながりでクジラと象をドッキングしてしまった
のでしょうか。それともカバと象を混ぜ合わせたのかな・・・?

この歯を食い縛ったなんとも言えない表情が、管理人のツボにはまり
ました。足長いし耳ないし、鼻がホース状だし、面白すぎる!

どれが象?と思いますが、青いのが象のようです。
ここまでくるとどこを突っ込んでいいのかも分からなくなります。

上記の絵とシチュエーションは同じですが、象さんがめちゃくちゃ
可愛くなっています。この表情の素朴さが個人的に好きです。

私の中で一番の傑作品。この滲みだしている侘しさ、目つき、
広がる鼻、足の開き具合。最高だと思います(笑)

 現代の私達がこれらの象を見たら「変で面白い!」と思ってしまいますが、当時の人々は至極真面目に描いて、見る人々も「これが象か!」と信じてしまったと思います。世界の果て付近に生息している巨大な生物は、迷信深い人々には怪物にうつったのでしょう。
 それにしても想像力に富んだ、いい味を出している象さん達だと私は思います。

<参考元サイト様(英語)>

 

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