ティタノマキアはゼウス率いるオリュンポスの神々と、クロノス率いるティターン族の大戦争です。
クロノスはゼウスらの父で、王位を失うという予言を受けて子供達を呑み込んでしまいますが、母の手引きによってゼウスは助かり、予言通り王位を手に入れました。(→ 詳しい物語はこちら) しかし、復讐の為に神々はティターン族に戦いをしかけ、ティタノマキアが始まりました。この戦争は山々や宇宙を震撼させるほどに凄まじく、世界崩壊を起こさせるほどの規模でした。戦いは拮抗し10年間続けられますが、ガイアの助言により、ヘカトンケイルとキュクロプスを味方に付けたオリュンポスの神々は一気に優勢になります。最後はゼウスの雷霆(らいてい)の力でティターン族の目を焼き、天地やカオスまでもが雷の炎によって焼かれました。こうして戦争は神々の勝利となり、ティターン族は深淵タルタロスの奥底に封印され、オリュンポスの神々の支配が始まったのです。
ティタノマキアに関する絵画、12点をご覧ください。
「ジョルジョ・ヴァザーリ&クリストファーノ・ゲラルディ作 16世紀」
父の口から脱出できたゼウスは兄弟たちを吐かせ、彼を追放しました。
しかし、オリュンポスの神々とティターン族はいがみ合い、大戦争に
発展しました。
「ヨアヒム・ウテワール作 1600年」
戦争は激しいもので、両者一歩も譲りませんでした。天は震え、
地は崩れ、宇宙をも揺るがしまします。戦いは10年間続きまました。
「アンゼルム・フォイエルバッハ作 1875年」
地母神であるガイアが神々に「タルタロスに幽閉されている怪物
ヘカトンケイルと、キュクロプスを解放したら戦争に勝てるでしょう」と
助言しました。彼等はそのようにし、怪物たちを味方に付けました。
「Erasmus Francisci 作の本の挿絵 1627-80年」
一つ目の巨人キュクロプス。英語読みだとサイクロプスになります。
キュクロプスは鍛冶に秀でており、ゼウスには雷霆を、ポセイドンには
三又の槍を、ハデスには隠れ兜を作って献上しました。
「ピーテル・パウル・ルーベンス作 1637-8年」
五十頭百手の怪物、ヘカトンケイルも大きい岩を持ち敵に次々と
投げ付けます。一度に投げ付けた岩の数は300であるとか。
(この絵画はヘカトンケイルではないと思います・・・。
でも、ティタノマキアの絵画と紹介されていました)
「作者不詳 17‐18世紀?」
怪物たちの活躍によってティタノマキアは動き出します。
神々もティターン族をバタバタと倒していきます。
「コルネリス・ファン・ハールレム作 1588-90年」
ティターン族は必死の抵抗を試みますが、敗北は確実となってしまいます。
クロノスはゼウスに討ち取られ、ティターン族は雷霆によって目を焼かれて
タルタロスの奈落の底へ落されてしまいます。
「作者不詳 17世紀?」
左側にいるティターン族は追いやられ、タルタロス行きになろうと
しています。中央の裸おじさんがゼウス、右側が妻ヘラ、左隣がアテナ、
右上はハデス、右下はヴィーナス、上で矢をしゅばば!と発しているのは
アポロンだと思います。
「アントニオ・ベリオ作 1690‐4年」
画面中央でゼウスが雷霆を振り上げ、ティタンーン族を焼き払おうと
しています。下側がティターン族、上側が神々になっています。
「ジュリオ・ロマーノ作 1532‐34年」
イタリアのテ離宮の天井画のフレスコ画。天上一面にティタノマキアの
情景が描かれています。と、言っても戦争は終結しており、神々の
支配が始まっております。天上には勝利を勝ち取った神々。
「ジュリオ・ロマーノ作 1532-34年」
テ離宮の神々の栄光の下側はこうなっています。
いかついおじちゃんたちのようなティターン族は、廃墟の中で恨めしそう
に上を見上げていますね。
「ジュリオ・ロマーノ作 アップ」
画面中央にいる翼の天使と左隣の人物は何者なのでしょうか。
もしかして、オリュンポスの神々よりキリスト教の神の方が至高の存在
であるといった感じ?考えすぎですかね・・・。
余談になりますが、一つ目の巨人キュクロプスに作ってもらった道具がゼウスは雷霆で、ポセイドンは三又の槍。どちらも今後の物語にも登場する重要な武器です。しかし・・・冥界の王ハデスは隠れ兜。これを被ると姿が見えなくなるそうです。二人は武器を作ってもらってる中、ハデスは防御100%。なんか、ハデスらしい地味さですね・・・・(笑) しかし、ハリー〇ッターにもあるように、姿を透明にするのはある意味最強。身を潜めるも、背後から討ち取るのも自由です。隠れ兜はヘルメスや英雄ペルセウスにもレンタルされているので、一番利便性が高い道具なのではないでしょうか。やはり地味が一番ですね!←ぇ
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