聖書で有名な物語として、大天使ミカエルが反逆したサタン(ルシファー)と戦い、地の底へ突き落した話があります。天使であったサタンは傲慢の心が芽生え、他の天使たちと共に神に謀反しました。神は大天使ミカエルを呼び、サタンに対抗させました。一説にはサタンとミカエルは双子の兄弟であったとされています。二人は激しく戦い、ミカエルが勝利をおさめます。敗北したサタンは堕天使となり、地の底へ封印されてしまいました。
このエピソードを元に画家たちは想像の翼を広げて絵を描きます。聖なるミカエルと邪悪なサタン。宗教的な影響もあり、殆どの画家はミカエルに肩入れし、サタンをこてんぱんにやっつけている絵画を描きます。それでは圧倒的戦闘力を誇るミカエルと、悲惨すぎて可哀想なサタンを見ていきましょう。
「アントニオ・デル・ポッライオーロ作 15世紀」
こちらは戦闘中のお二方。サタンが竜の姿で描かれていますが、
いまにもやられてしまいそうです。
「ラファエロ・サンツィ作 1505年頃」
首を踏み付けて、勝利ポーズ。サタンのおげぇー!って表情が可哀想。
「Master of Saint Verdiana作 15世紀」
槍にかじりついて最後の抵抗を試みていますが、
血だらけで無駄な抵抗に終わっています。
「スペインの画家」
腹を踏み付けて余裕の表情。サタンの姿が小動物みたいで可愛らしい。
もう弱い者いじめにしか見えません。
「グイド・レーニ作 17世紀」
こちら珍しい、ごついおっさんのサタン。
我にひれ伏すがいいといった風情で頭を足蹴にしています。鬼畜です・・・。
「カルロ・クリヴェッリ 15世紀」
画面のほとんどを占めるミカエルに、小悪魔風なサタン。
踏んづけられて、ぎょえっといった感じです。
「スペインのバルバストロにある美術館所蔵の作品 中世時代」
流し目で余裕の表情を浮かべるミカエル様。サタンは天秤にかぶり
ついて微々たる反抗をしていますが、腹と足を踏まれて痛そうです。
なんか赤いパンツと丸まった尻尾が悲壮感を漂わせます。
「ジョス・リフェランクス作 15-16世紀」
個人的に一番好きなミカエル様。
余裕の微笑みと口の中に足を突っ込む鬼畜感。
心臓に槍が突き刺さっているし、追放のはずが殺る気満々です。
「ウィリアム・ブレイク作 1805年」
全力の首絞め攻撃に、悲鳴を上げるお魚姿のサタン。
哀れがしな表情が悲壮感をかもしだしています。
キリスト教圏の絵画なので仕方がないといえばそうですが、サタンの扱いが雑魚すぎて可哀想に思えてきます。象徴的に見れば善の勝利を意味しているので、圧勝の方がいいのでしょうけれど、余裕で微笑んでいるミカエルの方が腹黒く見えるのは、私の心が荒んでいるからなのでしょう。きっとそうです、多分。
【 コメント 】
>> 季節風様へ
こんばんは^^
サタン(ルシファー)は天使の頃はそれなりの階級で、一説にはミカエルの兄弟とされています。
なので、サタンがえらく弱い訳ではないと思いますが…。相手が悪すぎましたね。
神の軍勢を敵にするのはまさに無謀だったと思います。
容姿も堕天したことで醜くされてしまいましたし…^^;
ミカエルは圧倒的強さですね。
そもそも悪魔が大天使に戦いを挑むなんて無謀でしょ。
見た目も完敗では( ̄▽ ̄|||)